チェックの王道『タータン』の魅力
数あるチェック柄の中でも、『タータン』は根深い歴史と伝統のもと、いまもなお世界中から愛されています。今回は、そんなタータンに焦点を当て、深堀りしていきます。
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タータン(チェック)とは?
そもそも、『タータンチェック』という言葉は和製英語で、英語圏では『タータン』、もしくは『タータンプラッド』と呼ぶのが一般的です。
柄の定義は意外にも単純です▼
- 2色以上のウール糸をつかい、直角に交わる柄であること
- 経糸と緯糸に使う糸の色と数が同じであること
- 上下左右対象模様になること
単純だからこそ、縞の太さや色を自在に組み合わせた様々なタータンが存在します。
タータンは、登録しないとタータンと呼べない?
タータンが他のチェック柄と大きく異なる点は、
柄の一つひとつが、発祥の地スコットランドにて登録・管理されているということ。
政府機関が管理する「スコットランド・タータン登記所」には、
毎年世界各国から申請があり、今では7000種類以上のタータンが登録されています。
ここに登録がないタータンは、タータンと呼ぶことができません。
国が服地の柄を管理する。ということから、チェック柄という枠組みだけでなく、服地としても特別な存在といえます。
また、企業や団体も登録することができます。
イギリスを代表するラグジュアリーブランド、バーバリーの「バーバリーチェック」や、
出典:Burberry® 公式サイト
https://jp.burberry.com/the-burberry-check/
日本でも馴染みのある老舗百貨店、伊勢丹の「マクラミン・イセタン」なども、スコットランド・タータン登記所に登録されています。
出典:FASHIONSNAP
https://www.fashionsnap.com/article/2013-09-18/isetan-new-tartan/
タータンの歴史
発祥の地は、スコットランドのハイランド地方。
タータンという言葉が定着したのは16世紀ごろですが、歴史はさらに長く、
発見されている最も古いタータンは、紀元3~4世紀のものとされています。
スコットランドはイングランドと領土争いをしていたころから、タータン柄の『プレード*』と呼ばれる衣装を着用していました。
*プレード...2m×4mほどの一枚の布を、身体に巻き付けてベルトで締める衣装
それがスコットランド人の正装、普段着、軍服として常に着用していました。
一枚の布だったプレードが、上下を切り離して機能的に進化したのが『キルト』です。
今でもスコットランド人の男性が着用する衣装で、スカートとよく形が似ていますが、決してスカートと呼んではいけないようです。
出典:ウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons)
ハイランド地方は岩山に囲まれ、辺鄙な土地柄だったことから、そこに住む人は野蛮人だとイングランドを含むヨーロッパの人々は考えていました。
そのため、タータンは変わった衣服、田舎者の服地という扱いでした。
そんなタータンの歴史を語るうえで、大きな出来事が4つあります。
①グレートブリテン大国の誕生
1707年、スコットランドとイングランドは1つの国「グレート・ブリテン大国」に連合。
連合に不満を持っていたスコットランドは、イングランドへ反乱を繰り返していました。
②禁止されたタータン
この反乱を起こしていたのがハイランド地方の男性であり、1746年に政府はハイランド地方特有の「ゲール語」「バグパイプ」「タータン」を法律で禁止しました。
③戦場とタータン
そんななか唯一、タータンを着ることが許されていたのが、
軍隊としてグレート・ブリテン大国のために戦うときだけでした。
そして、禁止令が解除された40年後の1782年、タータンの歴史を変える最も大きな転機が訪れました。
④国王ジョージ4世の訪問
1707年のイングランドとスコットランドの連合後、当時の国王ジョージ4世がスコットランドに訪問しました。国王の訪問は172年ぶりです。
この訪問を記念した式典では、参列するハイランド地方の一族に、
タータンを着用することが命じられました。
そのため、一族のタータンがない家は新しく考案せざるを得ない状況に。
今でこそ、タータンは日本の家紋のような存在と言われていますが、
国王ジョージ4世の訪問がなければ、ここまで世界中で愛される柄になっていなかったのかもそれません。
タータンの種類
タータンを種類分けすると、大きく4つあります。
ロイヤル・タータン
王室(ロイヤル)で用いられるタータンです。
1882年、ジョージ4世の訪問の際に初めてロイヤルタータンが作られ、
それ以来スコットランドの王室のシンボルとして用いられます。
なかでも、『ロイヤル・スチュアート』は1800年以上の歴史があると言われていて、有名なタータンです。
一度は見たことある、ひとつはアイテムを持っているという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
エリザベス女王が愛用していた、『ロイヤル・スチュアート』のブランケット▼
出典:Samir Hussein//Getty Images
ミリタリー・タータン
軍隊用のタータン。
タータンが禁止されていたときにも、この「ミリタリー・タータン」だけは着用が認められていました。
そのなかで最もポピュラーなのが『ブラックウォッチ』。
ネイビーやブラック、グリーンをベースにしたこの柄は、マフラーをはじめシャツやパンツにも使われることが多いです。
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ディストリクト・タータン
地域(ディストリクト)に根ざしたタータンで、地理的に特定できる場所と関連しています。
カナダにも固有のタータンがありますが、これらは18世紀から19世紀に、スコットランド人がカナダに移住たことがきっかけで生まれました。
クラン・タータン
「氏族」、「一族」と訳されるクラン。
ハイランド地方に住む人々は、氏族の繋がりも大切にする文化があったため、その氏族ごとのタータンを作るようになりました。
現代でもその絆は受け継がれていて、氏族で集まるイベントの際には同じタータンを着用して集まるようです。
鎌倉シャツのタータン
本場スコットランド製のラムズウール生地を採用。
定番のブラックウォッチから、伝統あるタータンを現代風にアレンジしたオリジナルタータンのマフラーが登場しました。
ダークトーンになりがちな秋冬の装いに、
アクセントとして活躍してくれるのが、鮮やかなカラーリングをしたタータンのマフラー。
柄の主張が強いと感じたときは、首から垂らすだけでもサマになるのがタータンの魅力の一つです。
ユニセックスでも着用いただけるため、贈り物としてもぴったりです。
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