『鎌倉シャツがイージーケアシャツを始めた理由』
今や鎌倉シャツのベストセラーとなった『イージーケアシャツPALPA(パルパー)』。10年前まで綿100%にこだわりを持ち続けた私たちが、ポリエステル混のイージーケアシャツをつくるようになった経緯とは? 共同開発をしてくださったユニチカトレーディングの三野様と弊社の佐野の対談から当時の背景を紐解きます。
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ポリエステルの芯をコットンで巻いた特殊構造糸で、
まるで綿100%のような風合いを実現した「イージーケアシャツPALPA(パルパー)」。
2014年の開発開始から10年経ったいまでは、
累計販売枚数100万枚・リピート率NO.1を達成した
多くの方に愛されるシャツとなりました。
ただ、創業当時(30年前)からPALPA開発までの間は
鎌倉シャツは綿100%であることにこだわっており、
お客様の中にはその信念に共感し、 ファンになってくださった方も多くいらっしゃいます。
そのため開発当初はポリエステル混のシャツに対して
「この商品は鎌倉シャツには相応しいのか?」という議論がよく巻き起こっていました。
今回は弊社の素材開発担当の佐野と
PALPAの共同開発を担ってくださったユニチカトレーディングの三野様に、
その当時の世間の反応や想い出について対談していただきました。
開発のキカッケ
経済産業省の【ものづくりサプライチェーン再構築支援事業】に選ばれたことで、 国内最高水準の紡績技術を誇る岡山のユニチカ常盤工場と鎌倉シャツの取り組みが始まります。3年間の開発の末、世界初の糸「PALPA プレミアム(※2019年特許取得)」の技術が実現しました。
『ポリエステル混のシャツはつくらないって言ってたじゃないですか!』
-発売開始当初のお客様の反応はどうでしたか?
佐野:発売開始前、顧客の皆様にPALPAを試していただきアンケートを取ったところ、
「鎌倉シャツにはがっかりした」という批判があったことを覚えています。
三野:ショックでしたね。特に当時は化学繊維に対する抵抗が強い風潮がありましたからね。
佐野:弊社スタッフからも厳しい意見をもらいましたよ!
三野:鎌倉シャツさんはずっと『ポリエステル混のシャツはやらない』って言ってましたもんね(笑)
-それにも関わらずPALPAの開発に突き進んだ理由とは?
佐野:共働き家庭が増えてきた時代のなか、少しでも家事の負担が減らせるように
「アイロン掛けがいらないシャツ」の需要が伸びるという確信はありました。
三野:クリーニングに出すのもいいですが、毎日着るシャツは自宅でケアができると便利ですよね。
佐野:生活様式が目まぐるしく変化する現代において、私たちの商品も変化していかなければ
時代に取り残されてしまうという想いで開発に取り組んでいました。
-いまではPALPAで1週間着回す方も多く、時代が追い付きましたね!
佐野:ここまで沢山の方に受けれ入れていただけるとは、良い意味で期待を裏切りましたね。
PALPAは綿100%のシャツが好きな方もご納得いただける、唯一無二のイージーケアシャツなんです。
PALPAに使用しているポリエステルについて
糸の芯部には再生ペットボトルを利用したポリエステルを使用しています。
販売開始から3年後にエコの観点から、芯の素材を現在のものに一新しました。
裏話『パルパーの凄さは防シワ性だけじゃない!?』
-「防シワ」や「速乾」、「エコ」など様々なメリットがPALPAにはありますが、
一番こだわったポイントは何ですか?
佐野:一番実現したかったのは「限りなくコットン100%に近い風合い」です。
超長綿の高番手シャツのファンが多い鎌倉シャツでは、
天然繊維ならではの質感と防シワ性の両立はマストでした。
三野:市場に出回っているノンアイロンシャツというのは
防シワ性を重視するあまり不自然な風合いのものが多いですよね。
そこをPALPAの糸を構成する原綿からこだわることにより、
鎌倉シャツさんらしいドレッシーな生地に仕上がりました。
佐野:単なる「シワにならないシャツ」じゃないのがPALPAの強みです。
まるで超長綿のような高級感漂うイージーケアシャツということが、
PALPAがベストセラーになった理由かなと考えています。
『PALPAは進化し続ける定番』
-PALPAは2019年には特許を取得して、唯一無二の存在になりましたが
他社には真似できない点はどこですか?
三野:失敗の数だけは絶対に真似できないですね。
佐野:本当に最初は失敗ばかりしてましたね。
ボタンホールが滑脱*したり。素材を再生ポリエステルに変えたとたん、品質が安定しなくなったり。ネップ*が多発したり…
三野:普通だとここまで失敗したら「もうやめよう!」となりますが、鎌倉シャツさんは挑戦し続けた。そこは普通の企業だと費用対効果が合わず絶対やめてしまうのでしょうね。
佐野:一つ一つ問題点を見つけ、丁寧に改善していっているので、PALPAは見よう見真似では作れないんですよね。
*滑脱:縫目に力が加わった時に、縫目が開くこと
*ネップ:繊維が絡み合ってできた節(糸のかたまり)
-数ある失敗の末に今のPALPAがあるのですね。
佐野:実は今のPALPAも完成ではなく、都度アップデートが必要だと考えています。
「進化する定番」として今後も改良していきますので、そのマイナーチェンジをPALPA愛好家の方には楽しんでいただければと思います。
さいごに
というわけで鎌倉シャツのイージーケアシャツPALPAについての
対談をお届けさせていただきました!
今だから話せる当時のイージーケアシャツに対する反応や裏話など
お楽しみいただけましたでしょうか。
「進化する定番」であるイージーケアシャツPALPAは
これからも顧客の皆さまに長くご愛用いただけるよう
日々アップデートしていく予定です。
今季は新商品も続々と投入していく予定なので、
PALPAが初めての方はもちろん、既にお持ちの方にも
ご満足いただけるかと思います。
ぜひ、店頭やオンラインショップにてお待ちしております。
オンラインショップ 一同
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