アイビールック の A to Z【I】
カレッジガール達は男子学生とのデートも専攻コース選びも気まぐれだが、一つだけいつまでも好きでい続けるものがある。セーターだ。”
KAMAKURA SHIRTS A to Z OF THE IVY LOOK
著者/イラスト グレアム・マーシュ“
アイビールック の A to Z【I】
カレッジガール達は男子学生とのデートも専攻コース選びも気まぐれだが、一つだけいつまでも好きでい続けるものがある。セーターだ。”
The New York Times /1959年7月29日IアイビーガールKAMAKURA A to Zブログの「G」ブログの最後でアイビーガールについて少し触れたが、ここでももう少し詳しく話したい。Rizzoliが出版したレベッカ・C・トゥイト氏によるSeven Sister Styleという本があるのだが、セブンシスターズカレッジの歴史を網羅している素晴らしい本だ。セブンシスターズカレッジは、バーナード大学、ブリンマー大学、マウント・ホリヨーク大学・ラドクリフ女子大学、スミス大学、ヴァッサー大学、とウェルスリー大学の7校から成っており、トゥイト氏はこれらの大学をこのように言っている。「これら7校は1861 年から1889年の間に創立され、ハーバードやイエールが’男性’のため大学であったようにアメリカで初めて、’女性’のための大学として開校された。
どの大学も排他的で知的さとファッション性において一流のエリート校であり、彼女たちが着るものはアメリカのアイデンティティーとステータスを世界中で作りだしてしまうのだ。」そもそもアイビールックとはキャンパス内のユニフォームとしての存在でしかなかったが、今ではこれまでにない程に柔軟に様々な要素を取り入れ、形を変えてきている。テーラード仕立てのシャツの上にクロップドセータを重ね、プリーツスカートを合わせ、足元には靴下にハイヒールを履く。このようなコーディネートはセブンシスターズの伝統的なスタイルではないはずだが、2021年の今日までアイビーやプレッピースタイルを受け継いでいる。今日この時代で、アイビースタイルの精神とともに、最もファッショナブルなコーディネートはこうだ。ツイードチェックの今時のプリーツスカートに、襟型はフェミニンだがあえてパリッとさせた白シャツを合わせ、クルーネックセーターを被る。ジャケットはきれい目なブレザーがいいだろう。足元には上質なステッチのローファーもしくはサドルシューズに白い靴下を合わせれば、Aプラスの評価を与えたくなるような仕上がりだ。
基本的に、アイビーガールはクラシックな装いが好きだ。彼女たちの手にかかれば、シルクのヘッドスカーフはとても魅力的なものとなり、パールネックレスは煌びやかに光り広がる。カレッジスカーフはエレガントなものとなる。コットンドリルチノにマドラスチェックのバミューダパンツは最もスポーツテイストなアイテムだ。ヴァーシティージャケットやレターマンジャケットとも呼ばれる、通称スタジアムジャンパーがどれだけ世界的なファッションショーで再び注目の的となったことか。これはとても興味深い。これらのアイテムたちは、長年繰り返し新調し持ち続けても時代遅れになることはないと信じていいだろう。ハリウッドの名俳優たちもセブンシスターズカレッジに通っていた。例えば、キャサリン・ヘプバーンは1930年代のブリンマー大学の卒業生だ。アリ・マッグローはウェルスリー大学を出ている。そして忘れてはいけないのが、メリル・ストリープが1971 年のヴァッサー大学卒業であるということだ。
1960年から1970年頃にロンドンのミュージアムストリートにWesterway & Westerwayという素晴らしいショップがあったことを覚えている。ちょうど大英博物館の向かいの位置だ。小さな店が並びそれぞれの店内が繋がっており、数々の美しい洋服が揃えられていた。シェットランドセーターやカシミヤセーター、クランタータンのハットやキルト、スカーフなどもあった。まさにモッズガールの宝庫のような場所だ!残念なことにショップはなくなってしまったが、たしか、小規模ではあるがスペインのオンラインストアでは今も取り扱いがされているはずだ。
クラシックなアイテムに様々な方法で一手間加えるだけで、エレガントなプレッピースタイルを仕上げることができる。まずは、パリッとしたボタンダウンシャツに筆記体のイニシャルを刺繍すること。クルーネックセーターのウェスト周りにハンサムなベルトを巻く。ここでしっかりと言っておきたいのが、アイビーガールルックの要素の多くは、男子学生たちの装いから生まれてきたということだ。1977年の映画Annie Hallの中のダイアン・キートンを見ればわかる。彼女は伝統的なメンズの仕立てルールを書き換えた。個性的な柄や素材感の組み合わせをし、女性らしさが現れるディテールをうまく取り入れ、オーバーサイズを楽しむ。このスタイルはまさにセブンシスターズのトレードマークであり、”Annie Hallルック”なのである。今も変わらず、これまでもそうであったように。
鎌倉シャツのレディースコレクションは、魅力的なアイビールックのアイテムももちろんのこと、間違いなく根強い人気を誇るコレクションである。
次は、J。ジャケットについてにしよう。
GM
ブログ内イラスト ©︎ Graham Marsh
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