鎌倉後の世界 Vol.6
鎌倉に生まれ育った私が、鎌倉のことをほとんど知らなかったことに気付いたのは、コロナになって鎌倉シャツが鎌倉回帰を果たしてからであり、これを私は鎌倉後の世界と呼ぶことにしている。
今これを書いているのは、2024年の9/5(木)の7:10分発の横須賀線で東京駅まで向かう車中である。
今日はこれから金沢へ向かい、いくつかのアポイントを予定している。(その模様は別途レポートしたいと思う)
昨日は浅草にある、鎌倉シャツでは長年お世話になっている日本一のベルト・メーカーさんを訪問した。
工房には素晴らしい革達が、ベルトになるのを待ち焦がれているかのように美しく整列されていて、この時点ですでに良いベルトが作られることが確定しているかのような雰囲気を持っている。
日本はもちろん、イタリアでもこれだけのムード、腕を持つ職人はいないと、ここに断言しておきたいと思う。
良い物は人によって作られるのである。
コードバンベルト ブラウン
25,300円 (税込・参考価格)
スムースレザーベルト ブラック
10,780円 (税込・参考価格)
浅草界隈を移動の車中で、コバぶろぐ(最近更新は途絶えている)でもお馴染みの小林から、
「哲兵さん、最近、僕の好きな 「鎌倉後の世界」シリーズ の更新が止まっていますよ!」と言われた。
最近ブログを更新していない小林から言われるのも腑に落ちないものの、私のブログの更新についてプッシュしてくれる人間も他にいないので、今こうして書くことにしたのである。
前回のブログ(もう1人の創業者との対話)で、私にとって文章を書くことは瞑想に近い、と書いたのだが、やはり読んでくれる読者が1人でもいることの喜びは格別であり、誰かのために何かをしたいと願うのは、人間が本来持っている素晴らしい資質であると思う。
さて、前置きが長くなり過ぎてしまったが、「鎌倉後の世界」シリーズ のVol.6である。
鎌倉に生まれ育った私が、鎌倉のことをほとんど知らなかったことに気付いたのは、コロナになって鎌倉シャツが鎌倉回帰を果たしてからであり、これを私は鎌倉後の世界と呼ぶことにしている。
コロナ禍において東京が止まった時、鎌倉に退却したのは良いのだが、一刻も早く知らない鎌倉を「ディグ」(追求、研究)しなければならないと焦る気持ちを抑えながら、とにかく歩き、色々な人に会い、図書館に行き、カフェでノートにアウトプットする日々が続いた。
鎌倉だけでなく、海外やあらゆる場所、あらゆる事象をディグすることが、私の仕事や人生の大半を占めていて、役割だと認識するようになったのは、鎌倉後の世界が始まってからである。
今思えば小林は、コロナの前から酷かった私のディグ癖によく付き合ってくれたものだと思う。
イタリア中をバスや列車を使い、見知らぬ工場をダイレクトにアタックしながら、商談に持ちかける癖はなかなか治らず、イタリアだけでなくフランス、イギリス、スペイン、そしてポルトガルまで及んだ。
私にとってディグとは体感を通じたインプットであり、「修行」そのものであったのだ、と鎌倉後の世界を経て思う。
日本人にとって大変で難しいことに焦点を当てディグを繰り返し、それがお客様に大きな利益を与える可能性のある仕事は、おそらく小林も楽しかったに違いない。(と信じている)
今でも年2回の ヨーロッパ出張 も限られた時間の中で、なるべく普通ではないようなディグをしたいと思っているし、鎌倉もまだまだ深く、日本全国まで考えると、おそらく私の一生では時間が足りないだろう。
そして、コロナ禍において鎌倉で夢中になってディグし続けた中で、私の人生を大きく変えることになった人との出会いがあったのである。
その人とは、鎌倉五山・浄智寺の朝比奈住職であった。
つづく
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