2025年6月のヨーロッパ出張 Vol.3
昨日は、我々の20年以上に渡ってパートナーシップを続けているBREUER社とのミーティングと商談があった。
今は、2025年6/15(日)の7:30を少し回ったところで、南仏コート・ダジュールのニースのホテルの一室でこのブログを書いている。
昨日は土曜日だったのが、我々の20年以上に渡ってパートナーシップを続けているBREUER社とのミーティングと商談があった。


BREUER社は創業1892年の老舗ネクタイメーカーで、現在ではトータルルックにその姿を巧みに変えながら、世界中の顧客を魅了している。

鎌倉シャツでは、創業者である貞末良雄が鎌倉シャツのネクタイ(の品揃え)を世界レベルへと押し上げるために、
早い段階からもう1人の創業者である貞末民子をイタリア・フィレンツェで行われている世界最大のメンズのプレタ・ポルテの展示会であるピッティ・ウォモへと派遣していた。
そこで出会ったのが、すでに引退しているにも関わらず、今回ミーティングに来てくれたALAIN BREUERその人である。

詳細については私が書いている「もう1人の創業者との対話」シリーズでご確認いただきたいのだが、鎌倉シャツに欧州の規準というのを体感を通して教えてくれたのが同社なのである。
そして、今回のニース出張においては、鎌倉シャツの物作りを支えるプロダクト・ディレクターの宮沢が、南仏のコート・ダジュールの世界を体感し、BREUER社とミーティングを行うことは、大きな目的の一つだった。(小林、大道は体験済み)



宮沢は、今の時代の物作りについて、ただ良い物を作るのではなく、製品として仕上がった時に、空気やムードを出すことの大切さについて語っていたのだが、今回の出張では更にその想いが深まったと言っている。
宮沢は、BREUER社のクリエイティブを一手に引き受けるWALTER BREUER氏との出会いや、プレゼンテーション、そして彼が持つ土地の背景を存分に感じたようで、鎌倉シャツにとっての「鎌倉」の意味についてもより理解を深めたそうである。


近年、テクノロジーが発達し、AIやChatGPT等が台頭したことにより、人々は理屈上の正解をより求める傾向にあるのだが、宮沢が語るまでもなく、BREUER社や欧州のトップを走るようなブランドは、雰囲気やムードを大切にしている。
私は「人が服を買うのは直感」と常々思っているし、そのために物作りや店が存在していると思っている。
また、私自身も企画やバイイングを手掛けることもあり、時に、往々にして「作り手のエゴ」が出ることを体験として知っているのだが、お店での「サービス」も同じで、エゴはどの職種においても、いつでも顔を出す。
ところが、どんなに素晴らしい作り手や売り手がいても、買ってくれる人がいなければその職種は存在しない。※松下幸之助シリーズ Vol.2も参照
宮沢は、油断すると誰にでも出てしまうエゴをなるべく封印し、お客様が商品を見た時に感じてくださる直感のために、雰囲気やムードを重視したいと語っているのである。
そして、私は一人の鎌倉シャツの顧客として、彼が作る雰囲気やムードを重視した製品を早く見てみたいと思った。
服を買うのは理屈ではなく、「直感」だと改めて確信したニース出張の最後の夜だった。
つづく

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