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松下幸之助を考える Vol.6

さて、松下幸之助のシリーズも第6回目となったわけだが、今回は「視野を広く」について考えてみたい。

2024.08.22 貞末哲兵コラム


今このブログを書いているのは2024年の5/8(水)の20:00前で、最近ブログを書くにあたって日時を書いているのは、いつか見返した際に、その時の時代背景と内容のイメージが出来るようにと考えているためである。

現在、円相場は1ドル155円前後で推移し、日本は円安によるインバウンドが活況で、海外旅行には出にくい時代となっている。(こういったこともすぐ忘れるので記載しておく)


さて、「松下幸之助を考える」シリーズ も第6回目となったわけだが、今回は「視野を広く」について考えてみたい。


「世の中は広い。その広い世の中を、狭い視野ですすめば行きづまる。
人生は長い。その長い人生を、狭い視野で歩めば息が切れる。

視野の狭い人は、わが身を処する道を誤るだけでなく、人にも迷惑をかける。
だから、おたがいの繁栄のために、おたがいの視野の角度を、グングン広げなければならない。
十度の視野なら十五度に。十五度の人は二十度に。

もっとも、百八十度までひろげてみても、それでようやく、ものごとの半面がわかっただけだから、ほんとうは、グルリと三百六十度を見わたさなければならない。
それが、真の融通無碍、つまり解脱というものではなかろうか。

だが、なかなかにこうはいかない。
百八十度も広がればたいしたもので、普通は、せいぜい十五度か二十度ぐらいの視野で、日々を歩んでいるのではなかろうか。
だから争いが起こる。
悩みが起こる。
そして繁栄がそこなわれる。

視野を広く。どんなに広げても広すぎることはない。
お互いの繁栄と平和と幸福のために、だれもが、広い視野を持つように心がけたいものである。」


(『道をひらく』より抜粋)



視野の広さについては、サッカーやバスケットなどスポーツの世界でも重要視されているが、視野が広ければ広いほど次元の違ったプレーが可能となる。


視野の広い優れたプレーヤーは、「あいつの頭の後ろに目が付いているに違いない」とか言われたりするが、空間を把握し、自分がいつ、どこで、どうプレーすべきかを的確にジャッジする結果から、そういった形容詞が生まれるのである。

これは何もスポーツに限ったことではなく、我々のいるアパレル業界に身を置く者にとっても同じなのだ。

冒頭の話ではないが、為替や世界情勢、人々のライフスタイルの変化などを把握した上で、的確にジャッジしていくことが仕事をする上では大切なのである。

「ぶれいない」とか「スタイルを貫き通す」のも良いのだが、それはあくまで「趣味の世界」であり、十度、十五度の視野ということになるだろう。


ところが、サッカーやバスケットを見ても分かるように、全員が視野の広いプレーヤーというわけではなく、技術やフィジカルに特化した選手もいたりして、チームは成り立つ。


もし、このブログを読んでくれている読者の中に、仕事をする上での技術がなく、フィジカルにも恵まれない人がいても、決して悲観することはない。

このブログの本文である「視野を広く」すれば良いのだ。

五感を磨き、本を読み、様々な体験を重ねることで視野は確実に広がっていく。


時として、自分の視野の狭さに修行不足を感じることもあるが、お互いに歩みを止めることなく進んでいくしかないのである。



つづく

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