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Shirtsがシャツになる日まで Vol.1

作務衣がSAMUEを目指している以上に、英国にルーツを持つShirtsを日本人である鎌倉シャツが、「シャツ」として再定義し、世界に発信するまでの夢とロマンを追ったブログにしていきたいと思っている。

2024.04.25 貞末哲兵コラム



今このブログを書いているのは2024年3/21(木)の早朝である。

今回も例によって新シリーズが始まったのだが、ありがたいことにブログの感想を直接いただいたりすることもあって、暇さえあれば「書く」ことに時間を充てることにしている。

特に、早朝と夜は時間があるので、本を読んだり、調べ物をしたりしながらインプットし、様々な体験を組み合わせることによって、日々書くことが出来ているのである。


さて、先日、執行役員である田原がSAMUE姿で幹部会議に出席していたので、どうしたのかと聞いてみた。


「先日の哲兵さんのブログにもあったように、僕は “作務衣がSAMUEになる日※” を夢見ているんですよ!」


※先日のブログ「鎌倉作務衣の日」参照

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と、いつものハイテンションで答えが返ってきたのである。


とはいえ、会議でSAMUEを着る必要はないと思うのだが、田原はその熱い情熱で社員を巻き込むことが出来る人物で、現在は鎌倉シャツの中国事業に打ち込む日々を過ごしている。


なるほど、「作務衣がSAMUE」になるということは、寿司がSUSHI、ラーメンがRAMEN、禅がZENなどと同じように、「日本のコンテンツが海外に広く知れ渡り、世界中で愛される現象」を指すのだが、私は田原以上にその可能性を感じているし、衣服の分野で実現出来たら、世界の服飾史上初めてのことになるはずなのである。



禅宗のお寺で考案されたSAMUE(作務衣)なので、ZEN(禅)が深く関係しているが、19世紀の終わり頃に鎌倉・円覚寺の管長でもあった釈宗演が、シカゴで行われた「第一回万国宗教会議」に福沢諭吉の援助を得て参加し、初めて禅が「ZEN」として海外に伝わったのが「こと」の始まりである。


▲ 釈宗演 管長



そして、1960年代のアメリカ西海岸で起こった「カウンター・カルチャー」やアメリカ全土を巻き込んだ「サマー・オブ・ラブ」などの最中(さなか)に彗星の如く現れた、鈴木俊隆老師がさらにZENを広め、当時最先端を走っていたヒッピー達に絶大なる影響を与えたのである。


▲ 鈴木俊隆 老師



彼の名著である「ZEN IS RIGHT HERE」や、「禅マインド・ビキナーズ・マインド」はアップルのスティーブ・ジョブスの愛読書としても知られている。




他にも、仏教学者であった鈴木大拙(もう1人の鈴木)、南禅寺の管長であった柴山全慶など多くの日本人のおかげで禅はZENとなったのである。


▲ 鈴木大拙 氏



また、鎌倉シャツのSAMUE愛好者であり、鈴木俊隆の弟子達とも交流のあった元サンフランシスコ・禅センターの所長であった藤田一照さんなどにより、現在もZENは世界中の知的レベルの高い層の方々を中心に愛されている。




そして、鎌倉シャツのSAMUEは本家の方々から愛用されている「本物」であるということで、噂が噂を呼び、ついにあのジョアン・ハリフォックス老師が本店にご来店下さったのである!




ジョアン・ハリファックス老師は、仏教指導者、禅僧、人類学者であり、ニューメキシコ州サンタフェにあるウパーヤ禅センター創設者・主管。

医学人類学で博士号を取得し、 アメリカ国立科学財団で映像人類学の特別研究員、ハーバード大学で医療民族植物学の名誉研究員、米国議会図書館の特別客員研究員も務めてきた。
また、 ウバーヤ禅センターによる、刑務所でのボランティア活動、 ネパールにおける移動診療の活動をされたそうで、世界的に大変有名な方なのである。

そして、鎌倉本店で鎌倉シャツのSAMUEをお求めくださり、とても気に入って下さったのは、「仕事冥利に尽きる」というものであった。


さて、今回のブログのタイトルになっている「Shirtsがシャツになる日まで」は、作務衣がSAMUEを目指している以上に、英国にルーツを持つShirtsを日本人である鎌倉シャツが、「シャツ」として再定義し、世界に発信するまでの夢とロマンを追ったブログにしていきたいと思っている。

今日はその序章として、「SAMUE」の話をしてみたのだが、次回以降もご期待いただければと思う。

それでは、また。


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