サイゼリヤ研究 vol.2
「おいしい=売れる」じゃない。 サイゼリヤの考え方から、モノづくりや仕事へのヒントを探ります。
はじめに
今このブログを書いているのは2025年7/16(水)の早朝である。
前回から、私のブログを編集をしてくれる社員が変わったのだが、新しい視点と構成が新鮮だった。
以前と比べて良くなったとかそういった話ではなく、人によって編集は変わり、おそらく伝わり方も変わっていくだろうなと思ったのである。
私がこうやって文章を書き続けていることには理由があり、それは以前どこかでも述べた通り、自分の記憶とアウトプットの練習だったり、また僅かにいると思われる読者の方に向けて発信することなのだが、「人間の90%以上は自分の思っていることをアウトプットすることなく、その人生を終える」という通説も事実であるように思う。
さて、今回も早速、サイゼリヤシリーズのvol.2ということで、正垣泰彦氏の哲学をご紹介してみたい。
「無駄をなくし、本物を追求せよ」サイゼリヤに学ぶ経営哲学
サイゼリヤ創業者・正垣泰彦氏の教え
『おいしいから売れるのではない』から学ぶこと
●本物を使う
会社がピンチの時に、創業理念に立ち返り、本物感と値段も安いという視点に戻った。
日本では当時知られていなかった「プロシュート」や「ペペロンチーノ」といった本格的な料理を投入し、しばらくするとお客様は戻ってくれた。
創業の理念に立ち返ることで、ブレずに正しい経営判断が出来るのである。
― 正垣泰彦(サイゼリヤ創業者)
利益は「売り上げ」ではない。サイゼリヤが示す、本質的なビジネスの考え方
サイゼリヤ創業者・正垣泰彦氏の教え
『おいしいから売れるのではない』から学ぶこと
●給料を削ってでも核商品を作れ
不況下で大切なのは売り上げの確保ではなく無駄をなくすことだ。
周囲の店が値下げに走っているから、売り上げがほしいからといって安易な値下げはするべきではないし、販促にお金を使っても一時的にお客様が増えるだけで、現場は疲弊するだけである。
ほとんどの人は売り上げが増えれば、利益も増えると思っているが違う。
利益は「売り上げ」−「経費」。売り上げが増えなくても、無駄をなくし経費を減らせば利益は増えるのを忘れてはいけない。
最も景気が良い時は無駄には気づかないので、不景気の時がチャンスとも言える。
一番効果があるのは、何かを改善しようと考えるのではなく、
「今までやってきたことをやめること」であり、
飲食店ならメニュー数を絞ることが一番無駄を減らせるのである。
商品を絞り込んで徹底的にこだわることが大切で、
商品を絞るからこそお客様にお値打ち感を伝えやすい。
まずは来店客の20%〜30%が食べてくれる「核商品」(ミラノ風ドリア)を作り、磨き続けることである。
絞り込んでメニューを提供するとロスが減り、作業効率がよくなる。
無駄がないので利益がどんどん出る。
そうなったら利益の一部をお客様に還元して値下げすることも可能だ。
はじめに安売りありきではいけない。
― 正垣泰彦(サイゼリヤ創業者)
vol.1で書いたように、このシリーズは「おいしいから売れるのはではない。 売れているのがおいしい料理だ」からの抜粋を全45項目に渡ってお伝えする予定なのだが、あまりの内容の濃さに今回も2〜3項目のみになってしまった。
変革の時こそ「原理原則」に立ち返る
私が解説するまでもなく、正垣氏の原理原則を追求する姿には感嘆せずにはいられない。
「本物を求め、ロスを減らすこと」の重要性を、私達が親しんでいるメニューを通じて伝える説得力は凄まじいとしか言いようがない。
今回の二項目は、読者の皆様というより、私自身の戒めとして精進の糧にさせていただきたいと思う。
つづく
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