2025年1月、欧州出張 イタリア編 Vol.5
今日はミラノからフィレンツェで行われているメンズの世界最大のプレタポルテの展示会PITTI UOMOに向かう。
私と小林はイタリアではミラノを拠点に滞在しながら、コモを訪れたり市場調査をしたりしている。
今日はミラノからフィレンツェで行われているメンズの世界最大のプレタポルテの展示会PITTI UOMOに向かう。
今回のPITTIでは、特に発注業務はないので、来シーズン以降の傾向を掴んでいくのが主な業務となる。
ミラノからフィレンツェまではFreccia RossaかItaloという特急電車に乗って片道約2時間なのだが、日本ほど列車は正確に動くことは絶対にないので注意が必要だ。
イタリア語でin ritardoすなわち、遅延ということなのだが電光掲示板にこの文字を見ない日はない。
イタリアではアポイントでも基本的にオンタイムで5分~10分遅れが基本なのだが、我々日本人との待ち合わせには比較的前もって待ってくれていることが多い。
日本では1分の遅刻も許さない厳しい規律が、この独特の空気の中に充満しているのだが、イタリアでは5~10分遅れてもお咎めはない。
どちらが良いのだろうか。
イタリア的に、遅れてもだいたいの時間にいれば良いという考え方と、新幹線すら寸分の狂いもなく離発着を高速で繰り広げる日本の厳しい規律や考え方。
どちらにもメリットやデメリットがありそうなのでここで論じるつもりはないのだが、幸いにも私と小林が乗る行き帰りの電車が多少の遅延で済んだことは良かったと思う。
さて、展示会は2日目を迎えて大変な賑わいを見せていた。
しかし、相変わらずヴィジターの中には、展示会で仕事をするのではなく、単に奇抜なファッションをしてフォロワーなどを増やす人達も多そうである。
鎌倉シャツでは、PITTIを視察はするのだが、あまりそこ(最先端ファッション)に寄せるのではなく、参考程度に留めておくことも重要で、あくまで傾向を掴んだ上で鎌倉シャツらしさに落とし込むことが大切だ。
最先端ファッションとの距離感を絶妙に保つことが鎌倉シャツにとって大切なのだが、一方で、世の中の傾向を全く「知らず、分からず、存ぜぬ」で突き進んでいけるほどファッション・ビジネスの世界は甘くはないのである。
おそらく、最先端ファッションとの距離感が、各ブランドにおけるファッション・ビジネスにおける肝やブランディングの中核となるのだが、その部分やセンスを言葉で表現するのは難しい。
ファッションが言葉で表現出来ないのは当たり前だ、と諸先輩方から言われそうなのだが、私としてはブログやたまに不定期で行うマル秘ノートでアウトプットする以外にないと思っている。
他には、自分が何を着たいか、着ているかも大切なことで、これも一つの表現として大切にしたいと思っている。
さて、PITTIに話を戻すが、ほぼ全てのサプライヤーからラグジュアリー、スポーツ、カジュアルの提案がなされていて、素材はより軽く、快適な物が多かった。
カラーはナチュラル~キャメル、そしてブルー、グリーン、ワインやパープルの差し色はグレー系のトーンでまとめられていた。
今回のPITTIは、あくまで私が予想した範疇を出なかったのだが、「軽さ」の表現はとても難しく、今後鎌倉シャツがどのように表現していくかは、要研究ということになりそうだ。
一方で、鎌倉シャツが得意とする普遍的なビジネス・スタイルの提案が減っているからこそ、逆に強化するべき課題とも認識する。
そのバランスを常に考え、絶妙な距離感で保つことが大切だ。
つづく
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