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2025年1月、欧州出張 イタリア編 Vol.3

この日最後のアポイントとなったのが、鎌倉シャツとも長い付き合いのF社である。

2025.01.20 貞末哲兵コラム


この日最後のアポイントとなったのが、鎌倉シャツとも長い付き合いのF社である。


例によってイニシャルでの登場となるのだが、疲弊し切ったネクタイ産業を立て直すためには、産地やそれに関わる人達の意識改革が急務であることを感じている。

どんなに優れたデザイナーやファクトリーでも今までの成功体験を捨てて違うやり方を模索するのは容易なことではない。

しかし、コモという産地を訪れる度に、様々なネガティブなニュース(倒産や規模の大幅な縮小)を聞かされている以上、やり方を変える以外に道はないのではないだろうか。


そのやり方とは、産地に関わる全ての人達が「工場を動かす」という地点から物事を考え、実行することに他ならない。




鎌倉シャツの創業者 は日本の産地を活性化させるためにパイオニアとなって行動し、ヨーロッパでの実現をも夢見ていた。

しかし、コロナを経て2025年現在、時すでに遅しと言っていいくらいコモの状況は深刻な状態にあることをここに記しておきたいと思う。


さて、前置きが長くなってしまったが、同社は毎シーズン最先端のコレクションを作り、また日本人好みのアレンジも得意としている。

彼らは Vol.2 で登場した2社のように特別な素材や生地を持っているわけではない。(ファクトリーではなくメーカーである)




もちろん、F社は彼らと同じコモで仕事をしているので、特別な品質のネクタイ生地を使用することも可能だ。


しかし、このF社は品質を超越した何かで圧倒的な違いを生み出し、それはネクタイとなった時に生地の良し悪しとかではなく、そういったものを凌駕するエネルギーを持っている。

「感性」とか「センス」と言わざるを得ないのだが、それらは生まれ持ったものに加えて、絶え間ない探究心を持ち、科学的な努力を続けることによってのみ向上し、その結果として「圧倒的な違い」を生み出すことが可能になるのである。


また、このF社が凄いのはあくまでクラシックの中に「今」を表現、内包することに長けており、流行り廃りの激しいモードを追っていないことにもある。




日本人の多くは、「イタリア人=センスが良い」と考えているかもしれないが、実は彼らが持つ本場のヨーロピアン・テイストは我々には合わない場合も多々あるのだ。


したがって、F社の感性を通して、ヨーロッパではなく日本を捉えることによって、多くの日本人を魅力していると言えるだろう。

25F/Wのオーダーは、更に鎌倉シャツの顧客の皆様がお求め易くなるように、よりマイルドで癖(たまに出る本場のヨーロッパ・テイスト)を最小限に抑えることが出来たように思う。


来シーズンの展開にご期待いただければと思う。

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