鎌倉シャツもう1人の創業者との対話 Vol.6
鎌倉シャツ副社長でディレクターの貞末哲兵が、創業者である母・貞末タミ子について語ります。
今は2024年の3/26(火)の7:30を回ったところで、VERVE COFFEEでこのブログを書いている。
ブログを書いていると嬉しいことに様々な感想をいただくことが多いのだが、「いつもスターバックスにいるんですね」とか言われたりして、妙に照れてしまう。
そんなわけもあって(?)VERVEから書いているのだが、このシリーズも今回で第6回目を迎えた。
先日、といってもだいぶ前だが、長年に渡って勤めてくれているジェネラル・マネージャーの青木が興味深い話をしていた。
青木 「元社長である貞末タミコ(もう一人の創業者)は、社員を預かるからには紳士、淑女に育てていきたいという話をしていました。 私達もそうなれるように努力しましょう。」
というような趣旨で、何かの研修で話していたような気がする。
「紳士、淑女」は高貴な響きであるが、私達の親の世代くらいまではそういった言葉を使いこなしていたように思う。
英語では「LADIES AND GENTLEMAN」、フランス語では「MONSIEUR、MADOMOISELLE」(ムッシュー、マドモアゼル)、イタリア語では「SIGNORI、SIGNORE」(シニョーリ、シニョーレ」ということになる。
余談だが、私も好きなパリ・オペラ座で生まれたとされるクロック・ムッシュ(croquet mousieur)の名前の由良は「かりっとした紳士」という意味だそうで、由来は定かではないが、食べたときのカリッという音(フランス語でのクロッケ (croquer))からとも言われている。
ちなみに、クロック・マダム(croquet madam)は、クロック・ムッシュに目玉焼きを付けたバージョンであることも付け加えておきたい。
話が逸れてしまったが、私は日常的に「紳士、淑女」という言葉を使っている人を、もう一人の創業者を除いて会ったことがない。
「巨人軍よ紳士たれ」というような言葉は聞いたことがあるが、最近ではほとんど使われなくなったように思う。
紳士と聞くと、「ゴルフの後にブレザーを着てスコッチを傾ける」というような図式が浮かび、ウィンブルドン、マスターズ、F1のモンテ・カルロかなんかで、VIP席にいるような人達は間違いないところだと思うが、それらは一般的ではない。
一般的な紳士は、「洗い晒しのボタンダウン・シャツや鹿の子のポロシャツに、適度な細さのチノパンを合わせて、セーターを肩からかける」ようなイメージだろうか。
一方、淑女は、「シルバー・ヘアにカシミアのセーターか鹿の子のポロシャツを着て、紀ノ国屋で買い物」という映像が浮かぶ。
紀ノ国屋じゃなくても、明治屋でもいいのだが、いずれにしても飾らないセンスが光り、自然体でナチュラルなイメージであることに違いはない。
他に、紳士、淑女を目指すためには「言葉使い」や「所作」なんかも大切になってくるだろう。
社会人になって数年も経つと、周りから言葉使いや所作やマナーなどを注意してくれる人はいなくなってくる。
汚い言葉使いをした瞬間に「ああ、この人はこういう人なんだな。」と評価され、一度そうなってしまったらその評価を覆すのは難しい。
所作においては、音を立てて、スープやスパゲッティなどを「ズルズル」とすする人は60%くらいはいるように思うし(味噌汁、蕎麦は音を立てても多少はオッケーと思う)、スプーンやフォークをお皿に「カチャカチャ」という人もそれなりにいるのではないだろうか。
繰り返すが、これらを注意してくれる人はいない。
暗黙の中で評価をされてしまうのはもちろんのこと、上述の「ズルズル」や「カチャカチャ」では、紳士、淑女には程遠いのである。
私自身は、人のことを言えるほどテーブルマナーなどを身に付けているわけでもないのだが、もう一人の創業者からはかなり厳しく教えを受けてきた。
お茶碗やお碗の持ち方、箸の持ち方や扱い方、このあたりもとても大切であり、例え有名なグルメ番組などのレポーターや芸能人であっても、この部分で「人となり」が見え隠れしてしまうのだ。
いずれにしても、私自身への自戒も含め、このブログを読んでくれた方がご自身の言葉使いや所作などについて一考していただければ幸いである。
それでは、また。
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