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鎌倉シャツ創業者との対話 Vol.6

鎌倉シャツ副社長でディレクターの貞末哲兵が、創業者である父・貞末良雄について語ります。

2024.04.10 ブログ


今は、2024年2/13(火)7:30を少し回ったところで、スターバックスではなく自宅の一畳程度の書斎でこれを書いている。

前にも書いたが、禅の修行僧は「起きて半畳、寝て一畳」というスペースの中で修行をしているそうで、私の書斎もそうなればいいと思っている。

今年の年始は欧州出張に出掛け、早いもので気付いたら2月も中盤に差し掛かってきている。

さて、久しぶりにこのシリーズだが、先日創業者と会った時に、1740年創業で英国を代表するシルク織物工場である「VANNERS」の話になった。




VANNERSはつい先日、280年というその長い歴史に終止符を打った。


これで、英国に残るシルク織物工場は、STEPHEN WALTERSのみとなってしまったのである。

どんなに良い物を作っていても、時代の流れには逆らえず、繊維に関わる多くのファクトリーが廃業に追いやられてしまう時代が到来している。


私   「とうとう、VANNERSもなくなりました。」

創業者 「そうか、昔何回か一緒に行ったな。素晴らしい物を作っても、使う人がいなければ、いずれ淘汰される運命にあると思うよ。」


過去にも創業者から、どんなに素晴らしい物を作っても、使う人がいなければ意味がないという話を聞かされていたことを思い出す。




アパレル産業は、作る人、売る人、買う人によって成り立っているが、各々が傲慢になってはいけない。


作る人が 「俺という職人がいなければシャツは作れない」 と考える。

売る人が 「私がいなければシャツは売れないのよ」 と主張する。

買う人が 「俺は客だ」 と威張る。


この三者の中で強いて言うならば、買う人の傲慢さは許されるかもしれないが、前者の二つは決してそうあってはならない。

なぜなら、あのVANNERSという世界最高のシルク織物を作っていても、「使う人がいなければ」廃業するからだ。

そのことを創業者は常に危惧し、重要性を語っていた。


作る人や売る人は、「買う人、使う人がいて初めてその存在価値がある」ことを忘れ、傲慢になってしまうのは自戒も含めて多いように思う。

「俺」へのこだわり、「自我」への執着、それらはお客様の前では何の役にも立たないばかりでなく、その傲り高ぶりが破滅への一歩を歩むことになるのである。

例え、常にお客様に対して謙虚に仕事をしていたとしても、経営手腕や時代の変化によってはVANNERSのように廃業へと追いやられてしまうこともあるのだ。




覚えておかなくてはならないのは、鎌倉シャツは創業者がいなくなっても、たくさんの顧客の皆様に支えられて今も存在している。

一個人ではない多くの社員がそれぞれの力を発揮しているからこそ、鎌倉シャツは成り立っている。

私がいなくなっても、今と全く変わらず鎌倉シャツは進化し、世界に羽ばたいて行くと思うが、だからといっていい加減に仕事をするということでもない。

自分1人の力が与える影響は微力であることを認め、だからこそ謙虚に、淡々と自らの仕事を遂行していきたいと思うのである。

俺や私、自我への執着を捨てることから、起きて半畳の修行が始まるのだ。



つづく

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