鎌倉後の世界 Vol.3
このブログでは鎌倉シャツが「2020年に鎌倉回帰した後の世界」の話を主に書こうと思っている。
今、これを書いているのは、例によって自宅の一畳程度の書斎で、2023年11月1日の19:30を少し回ったところである。
今年も、あと2ヶ月で終わりということになるが、あまりにも早く時間が過ぎていく。
私がある筋から入手した情報によると、「時間の過ぎるスピードは年齢に比例する」という説があり、そのスピードは時速に置き換えることが出来るそうである。
つまり私は、今46歳なので時間を駆け抜けるスピードは時速46kmということになる。
なかなかのスピードで1年が過ぎていくが、それなりの時速(原チャリよりも速く、一般道の車のスピードに近いか)で走っているのだから仕方がない。
さて、今回は久しぶりに「鎌倉後の世界」である。
私は、コロナを機に鎌倉に戻ってきたものの、何の手がかりもなく鎌倉を探索し、日中は図書館に通う日々が続いたのだが、まず社員に鎌倉の良さを知ってもらわなくては、と思い3〜4人ずつ順番に来てもらい、鎌倉を案内することにした。
鎌倉の良さを知ってもらうには、観光客定番の「小町通り」近辺ではなく、かといってあまり知られていない場所を案内しても仕方がないので、鎌倉が誇るビーチ・カルチャーの「海」と山の文化である「お寺」を中心に案内することにした。
時間が限られている中、ビーチ・カルチャーの案内は「ドライブ」と鎌倉七里ヶ浜の名所であるビー・バリューさんが経営する「AMALFI レストラン」に絞り、山の文化の案内は建長寺、円覚寺、浄智時、東慶寺、覚園寺、明王院などを案内することにした。
総勢何名の社員と一緒に鎌倉を旅をしたかは覚えていないが、いつからかこの試みは「フィール・鎌倉」と呼ばれるようになった。
鎌倉シャツの創業者は禅に影響を受けていたこともあって、「実践」を重視していた。
「美味いか不味いかはどんなに説明しても他人が理解することはない」と言っていたし、禅では「冷暖自知」という言葉もある。
読んで言葉の通り、冷たいか暖かいかは自分の体感の中でしかなく、他人ではない。
何でも他人から見聞きしたことを鵜呑みにするのではなく、自分の体感と直感を信じることの大切さを説いた物である。
現代は莫大な量の情報(ジャンク含め)がインターネットを介して届けられるが、それは本当の意味での情報とは言わない。
「情報」その語源、本来の意味は情けに報いるという説もあり、インターネットに流れる機械的なものではなく、もっと情緒的なものであるように思う。
また、情報の量はネットを見る時間ではなく「移動距離」に比例し、情報の質は「良質な体験」に比例するという言葉が言われて久しいが、社員にフィール「鎌倉」してもらえたことは、今振り返っても良かったように思う。
一度来ただけで鎌倉のことを理解するのは難しく、鎌倉に生まれ育った私ですら鎌倉には知らないことが山ほどある。
ただ、その第一歩を踏み出さない限り、何も始まることはない。
そして、その踏み出した最初の一歩がどんなに小さくとも、継続することで、歩数は増し、歩幅が広くなり、そのスピードや移動距離は加速していくのである。
つづく
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