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鎌倉シャツ創業者との対話 Vol.4

鎌倉シャツ副社長でディレクターの貞末哲兵が、創業者である父・貞末良雄について語ります。

2024.04.10 ブログ


最近、「鎌倉シャツ創業者との対話」など、書き上げたブログを印刷して創業者へ届けるのが習慣になっている。


創業者 「よく書けているな。面白いよ。創業者へのリスペクトは嬉しいし、あなたの哲学はなかなかのものだ。」


だいたいいつもこのような感想(他に褒めるバリエーションがないことに最近気づいたが)なのだが、一応褒められて嬉しくないこともない。
そんな中、先日の【創業者との対話 Vol.1】でお話しさせていただいた「ニューヨーク・マジソン街の7%にだけ分かる商品」や「マズローの5段階」の話になった。


創業者 「マズローの5段階」の他に、「イノベーター理論」というのを知っているか?」

もちろん、イノベーター理論は知っていたが「どんなものでしょうか?」と質問してみた。

創業者 「一部のイノベーター層が世界を変えて、我々がより快適で過ごしやすい環境を作り、世界を動かしているのだ」


イノベーター理論は例によってスタンフォード大学のエブレット. M. ロジャーズ教授が唱えたもので、創業者の言っていることは正しかった。

世界全体の2.5%がイノベーター層(変化を恐れない革新的な人達)で、次に続くアーリーアダプター(イノベーターに追随する人達)という層が13.5%おり、両者を足した「全体の16%が動けば世界が動く」と言われている。


創業者 「我々の顧客はビジネスマン全体のトップ2.5%で、その方々に響く商品作りとサービスを実現しなくてはならない」

私   「自己実現を成し遂げた層や、イノベーターに響く商品作りとサービスですね」

創業者 「そうだ。そのトップ層はお洒落なのだが、洋服のみが好きなオタクではなく、仕事やライフスタイルを含めたこだわりを持っている人達のことだ」


創業者は、服がお洒落なだけでなく、衣食住や健康などトータルにおけるライフスタイルの重要性についてよく話をしていた。

「服の商売をする者は服だけ知っていればいいというわけではない」と常々断言していた。

創業者の師であるVANの石津先生や、現代の優れたアパレル業界の人達は、例外なく服以外のライフスタイルや文化について深い知識と見識を持っている。

彼らが特に重要視していたのが、「食」である。


創業者 「素材にこだわるのが鎌倉シャツである以上、少なくとも我々の社員は食べる物の素材にこだわりなさい」


この話は彼の近くで働いていた社員は毎日のように聞かされ、身に付いている意識と習慣だが、その重要性を理解し実行に移すのは難しい。

まず、現代社会で良い素材を使って作られている食べ物が極端に少ないのがその主たる理由で、日本におけるオーガニックフードの普及率は1%未満ではないだろうか。


例えば我々が普段何気なく食べている「鶏の唐揚げ」や「卵かけご飯」などは「ブロイラー種」「レイヤー種」と呼ばれる鳥から生まれたものだ。

ブロイラー種は生まれてから死ぬまで、薄暗い鳥一匹分のスペースで、抗生物質と成長剤が含まれた飼料を食べ40〜50日で食肉として出荷される。
まさに、「鶏肉生産工場」だが、豚にしても牛にしてもその飼育方法に大差はない。
一方、「フリーレンジ・チキン」と呼ばれる鶏肉は多少高価だが、自然を動き回り、ナチュラルな飼料を与えられているため味も美味しく、体にも優しいと言われている。

だが、前述したようにこういった体に良い食材は滅多に売っていないし、高価であるためなかなか入手することは難しい。


では、どうすればいいか? 

この答えはなかなか見つけることは出来ないが、なるべく顔の見える範囲で食材を探す努力をすることから始まるのではないだろうか。

また、あまり過敏にオーガニックフードを求めすぎるのも精神的に良くない気もする。
いずれにしても、安易にファーストフード店やコンビニで食材を求めないことが良いと思う。

もちろん時間のない時、他に選択肢がない場合においては行っても良いと思うが、それらが「ファースト・チョイス」にならないことが大切だと思う。



つづく

2018年の記事「メーカーズシャツ鎌倉の本店で食べられる700円のカレーは、会長自ら作る超本格派!」より画像引用

引用元 | MEN‘S EX ONLINE

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