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2024年6月、欧州出張 Vol.13

引き続きパリ編。今回のレポートは、世界最古のシャツ・ショップである「Charvet(シャルべ)」である。

2024.08.19 貞末哲兵コラム


今これを書いているのは、2024年の7/2(火)の7:30を少し回ったところで、スターバックスには私の他に少しの人しかいない。

スターバックスやVerve Coffeeで文章を書く日常がようやく戻ってきたかな、という感じで、日本の素晴らしさを改めて感じている。


さて、かなり長編となってきた欧州出張記だが、Vol.12に引き続きパリ編となる。

今回のレポートは、世界最古のシャツ・ショップである「Charvet(シャルべ)」である。
Place Vandome※に軒を連ねる世界最高のトップ・ジュエラー達に混じって、燦々と輝きと異彩を放つ、シャツ・ショップである。(※Vol.12参照




シャルベは、レディ・メイド(既製品)のシャツで約500ユーロ(85,000円)くらいする。(8,500円ではない)

もちろん、とてつもなく高いのだが、お客さんはひっきりなしに来店している。
しかも、我々のような観光客風の冷やかし半分のお客さんよりも、地元のレベルの高い名士やお客さんの数の方が圧倒的に多いのである。


シャルベは博物館のような外観と内装を持ちながら、人気店であり、繁盛店なのだ。

1838年創業なので、代々のお客さんが多いのは想像出来るのだが、なぜ、この世界一とも呼べる超高価格帯のお店に入店が絶えないのだろうか。


シャルベは世界に一店舗しかなく、ヴァンドーム広場にしかない、というのも人気の秘訣なのだとは思う。

そして、シャツ一枚に500ユーロは高い、高すぎると言ってもいいのだが、ヴァンドーム広場に燦々と軒を連ねるLes Grand Cinq※を中心とした世界最高峰のジュエラー群を見渡してみると、「500ユーロで買えるものは何一つない」ということに気付く。(※Vol.12参照


そういった観点で考えると、シャルベのシャツ一枚500ユーロは良心的なのかもしれない。

人間の上半身をすっぽりと覆い隠すシャツが500ユーロで、指一本のほんの一部を覆うリングが50,000ユーロだったりするのだ。




もちろん、そんなことを考えるのは日本人でも私くらいかもしれないが、一人のビジネスマンとして、シャルベの来店客の多さに色々と考えなくてはならないのである。


そんなことは(シャルベのシャツはヴァンドーム広場においてはお手頃)、もちろん当たり前の現象なのだが、日本にいるとこのことに気付くのは難しい。


日本は良い国なので、どこに行っても、どんなに凄い店があったとしても、隣に庶民が入れる焼き鳥屋かなんかがあったりして、「エリア」という概念がない。
ロンドンでもミラノでも、お店や住んでいる場所によって、明確にエリアが区切られているのである。



ヴァンドーム広場は、ヨーロッパでも屈指の階級的なエリアでそこに集まる人達がLes Grand Cinqやシャルベを支えている。


客層がお店を創り、素晴らしいお店が顧客を創造していくという、小売業として理想の形であり、これからも永遠に続いてくと思われる無限のループに入っているのが、シャルベというシャツ・ショップなのである。




鎌倉シャツの創業者達はそういったことを全て分かった上で、メーカーズシャツ鎌倉というシャツ・ショップを作っていたことを、シャルベに来て改めて実感することが出来た。


次回は、そのシャルベがシャルベたる所以について、店内レポートをさせていただけたらと思う。



つづく

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さて、今回から、出張の最終目的地であるPARIS編ということになる。

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