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鎌倉シャツ創業者との対話vol.10

「顧客の代理人」として、妥協なきものづくりをする。

2025.09.11 ブログ

今これを書いているのは、2024年の11/13(水)の7:30前でいつものカフェには私の他に客の姿はない。

これから恵比寿のWESTIN HOTELで、英国唯一のシルク織物メーカーであるSTEPHEN WALTERSと商談することになっている。

鎌倉シャツではまだあまり馴染みのない同社であるが、過去にも何回か取引の実績自体はあり、その品質は折り紙付きである。

私は現在も、ネクタイのバイイングには多少なりとも関わっていて、目利きの力を鍛えるための努力は怠っていないつもりなのだが、バイヤーとして*こばブログでもお馴染みの小林(チーフ・バイヤー)にも伝えている一つの基準が、あのエルメスである。

その物や生地において、エルメスが取り扱っているか、または取り扱う可能性があるものなのかを考えることが重要であり、出来れば世界最高峰の商品を、鎌倉シャツの顧客の皆様にお届けしたいと考えている。

手前味噌だが、鎌倉シャツのメイド・イン・ジャパンの「シャツ」は、エルメスは取り扱うべきと私自身は(勝手に)考えているし、我々が更に高みや進化を狙う上でベンチマークしながら、世界一を狙い続けることが重要なのである。

STEPHEN WALTERSの品質は世界でも屈指で、1720年から始まるその歴史はエルメスを軽く(100年以上)上回る世界最古のネクタイ織物工場であり、300年以上の歴史が作り出す生地は唯一無二なのである。

そして、STEPHEN WALTERSの生地は、目玉が飛び出るほどに高価で、品質が高いのだが、それらはネクタイとなって鎌倉シャツの売り場に並んだ時に気付かれにくい。

手前味噌だが、鎌倉シャツのその他のネクタイにおける品質、サプライヤーは世界屈指であるため、また、発注数量もごく少量であるため、STEPHEN WALTERSだけが特別に目立つことはない。

STEPHEN WALTERSは生地値も高く、その品質の差が微差ならば、展開しなくてもいいのではないかと言われそうなのだが、そこをひたらすらやっていくことが鎌倉シャツが鎌倉シャツたる所以とも自負している。

お客様に明確な違いが分からない場合、普通ならコストを抑え、利益を確保するために品質を下げる努力をするのだが、鎌倉シャツの創業者は、我々に、「顧客の代理人となれ」と、いつも言っていた。

「顧客の方々にはそれぞれのお仕事がある。君達のように素材を探し、型紙を決め、縫製工場と仕事をする時間などないのだ。 であれば、君達が顧客の代わりに、手間暇を惜しまず、生産地の奥の奥まで足を運び、素材を手当てし、情報を取り、妥協なき物作りをするのだ。」

常々、創業者は、顧客の為に足を運ぶ重要性を説き続け、汗水を垂らして、特別な価値を提供するための行動を重視していた。

この思想、文化は、鎌倉シャツの物作りだけでなく、現在広がり見せ始めている「法人営業が作る価値」においても、最も重要なのである。

つづく

STEPHEN WALTERS一覧はこちら

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