2025年1月、欧州出張 ドイツ編 Vol.1
ドイツ・フランクフルトのホテルの一室で、2025年1月10日(金)の21:30を少し回ったところである。
今このブログを書いているのは、ドイツ・フランクフルトのホテルの一室で、2025年1月10日(金)の21:30を少し回ったところである。
いつもより出張に対してブログのアップが遅く、熱心な読者の方(いるかどうかは別として笑)にはお待たせしてしまって申し訳ない。
(今日はもう1/13(月)で、すでに私と小林はイタリアに入って来ているのだが、改めてドイツ出張のレポートをアップしていきたいと思う。)
まず、今回ドイツに来た最大の理由は、鎌倉シャツの大定番として(一流ショップには必ずラインナップ)長年人気を誇っているニットタイのメーカーであるASCOT社を訪問することにある。
「 商談をする際は、必ず現地に出向いて顔を合わせて行いなさい 」
かつて 鎌倉シャツの創業者 が社員に語っていた言葉だが、今でもその教えを出来る限り守りたいと考えている。
ASCOT社の本拠地があるのはドイツ・ドゥッセルドルフ郊外のKrefeldというところで、かつてシルク産業で大変に栄えた地域だそうである。
また、かつて世界3大シルク産地と呼ばれていたのが、イタリア・コモ、イギリス・サッドバリー、そしてドイツ・クレフェルド(Krefeld)だったことを知ったのは、ASCOT社のバルバラさんが運転する今日の車中でのことであった。
(コモとサッドバリーは知っていたが)こういった話は教科書やインターネットにはもちろん載っていないし、何より1908年創業の世界屈指のネクタイメーカーの方から直接話を聞けることは、仕事冥利に尽きるとしか言いようがない。
私がASCOT社を訪れるのは今回が2回目で、およそ15年振りとなったのだが、小林に至っては初訪問となる。
当時、33歳くらいだった私は、業界でも特別な知名度と品質を誇る ASCOT社のニットタイ を、鎌倉シャツで品揃えすることを夢見ていた。
もちろん、代理店から買おうと思えばいつでも買えたのだが、鎌倉シャツのお客様にお届けする価格で販売するためには、現地で直談判する以外に方法はなかった。
「 顧客の代理人になりなさい 」
これも 創業者 から受け取った大切な教えであり、顧客の方々は各々のお仕事がある以上、私達がその代わりとなって足を使い、素晴らしい商品を調達するのが我々の仕事なのである。
いくつになっても「顧客の代理人」としての初心を忘れるべからずと思いながら、15年振りのアスコット社に到着したのは、1/10(金)の11:00を少し回った時刻であった。
美しいショールームとファクトリーを併設するASCOT社なのだが、私は久しぶりとあってほとんど当時の記憶がない。
15年前は1人でやって来たこともあり、若さや緊張もあったのだろう。
とにかく必死だったので全体を見回す余裕がなかったのかもしれない。
いずれにしても、もう少しコンパクトなイメージを持っていたのだが、ASCOT社はそれなりに広いスペースを持ち、細かい場所にも掃除が良く行き届いた素晴らしい空間に、改めてワールドクラスの実力を存分に感じることが出来た。
ASCOT社のニットタイは、日本の一流ショップのほとんどで取り扱いがあるのだが、日本人では鎌倉シャツ以外はKrefeldに来たことがないそうで、そういったそれなりにレアな情報を、この場で顧客の皆様にお伝え出来ることを光栄に思う。
ニットタイはその名の通り、組織としてはニット、編みになるわけなのだが、上質なシルク糸と機械があれば誰でもそれなりの物を作れると思う方がいらっしゃるかもしれない。
ところが、ASCOT社だけが持つこの特殊な編み機は通常のニッティング・マシーン(セーター用)を特別に改造して、ニットタイを作れるようにしているのだ。
しかも、なんと驚くべきことに、100年以上前からニットタイ用に機械を改造し、今でもピカピカに磨き上げて最高のメンテナンスを施しているのである。
そして、編み上がったニットを木型に収めてから更に24時間以上熟成させ、そこからようやく縫製に入るというその手の込み様に驚いたのはもちろん、ここまで人が手をかけ暇をかけて作られた製品だからこそ、あのフランスの馬具メーカーが何十年にも渡って採用し続けてきているのだろう。
詳しくは、後日ホームページの方でもそのノウハウについてはお伝えさせていただきたいと思うが、この後、ファッション・インダストリーの世界に燦然と光り輝く、もう一つのフランスの雄が登場することになる。
つづく
ネクタイ ASCOTニットタイ
8,690円 (税込・参考価格)
ネクタイ ASCOTニットタイ
8,690円 (税込・参考価格)
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