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商品知識 Vol.2 Fermo Fossati

前回に引き続き、商品知識編となるが、一流ショップの販売の方でも語れないようなマニアックな内容になればと思っている。

2024.10.11 貞末哲兵コラム


今これを書いているのは北鎌倉のとあるカフェで、2024年10/7(月)の7:30を少し回ったところである。

前回に引き続き、商品知識編となるが、一流ショップの販売の方でも語れないようなマニアックな内容になればと思っている。


今回もFermo Fossati(フェルモ・フォサッティ)編ではあるが、Vol.1ではシャトル機の素晴らしさについてお話させていただいた。




糸になるべく加工をしないで、ゆっくりと時間をかけて織り上げるシャトル機によって作り出される生地は究極といえるだろう。


世界一ともいえるシルクの平織り物「スーパー・レップ」



Fermo Fossati社が作る「スーパー・レップ」(もちろんシャトル織機)はシルク100%でありながら滑りがあり、味わい深く、使い込むほどに風合いが増す。

世界中のネクタイ生地において、シルク100%の平織りの物としては間違いなく世界一ともいえるだろう。


ネクタイ FERMO FOSSATI

9,790円 (税込・参考価格)

ネクタイ FERMO FOSSATI

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世界のファッショニスタ達を魅了する「ガルザ」



次に、Fermo Fossati社の「ガルザ(GARZA)」である。

これもシャトル機でしか織ることが出来ないのだが、作れる会社は世界でも数社になってしまっている。

とりわけ、Fermo Fossati社のガルザは世界のファッショニスタ達を魅了し続けてはいるものの、ライフスタイルの変化からマーケットではほとんど見られなくなってきてしまった。


鎌倉シャツで展開する前、私物(Drake’s社製※)が痛んできていたので他社の物を探していたのだが、遂に買うことが出来なかった苦い思い出がある。 ※ Vol.1 参照

それくらい希少価値があるFermo Fossati社のガルザであるが、技術的には2本の経糸を捻りながら、空いた空間にシャトル機で緯糸を通すものである。


高い技術を要し、尚且つ世界では僅かに残るシャトル機でしか織ることの出来ない、貴重な生地となっているのがFermo Fossati社のガルザなのだ。

独特の清涼感があり、基本的には春夏向きのネクタイとして知られているが、シルク100%なので秋冬でも表面感のあるフランネルやツイードなどにベスト・マッチするので、是非お洒落な方はオール・シーズンお使いいただければと思う。


ネクタイ FERMO FOSSATI

9,790円 (税込・参考価格)

ネクタイ FERMO FOSSATI

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奇跡的な織機から作り出される美しさ「スーパー・ツイル」



そして、最後にこの24 F/Wから鎌倉シャツでは初展開となったスーパー・ツイルである。


スーパー・ツイル

創業者との対話シリーズでもお馴染みの鎌倉シャツ創業者である貞末良雄も、今筆者が付けているピンクのドットタイを愛用していた



ツイルとは経糸の本数を飛ばして緯糸を打ち、斜めの畝を表現するもので、皆様の身近にあるジーンズや、チノパンも基本的にこの組織が使われている。


そう、ツイル自体はそこまで珍しいものではないのだが、スーパーとなるとだいぶ話が違ってくるのだ。


ネクタイ FERMO FOSSATI

9,790円 (税込・参考価格)

ネクタイ FERMO FOSSATI

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スーパー・ツイルとは何なのか?

これはダブル・ワープと言われる特殊な技法、基本的にはシャトル織機でしか作ることが出来ず、高い技術と大変な手間を要することから、生地値がとてつもなく高価になってしまう。


ダブル・ワープとは

ダブル・ワープとは、通常大変な手間をかけて一本の経糸(言うならばシングル)をセットするのだが、二本(ダブル)の糸を使う離れ業



Fermo Fossati社では、このスーパー・ツイルというクオリティをとても大切にしていて、経糸が2本装備される、奇跡的な織機から作り出された生地の美しさや、ツイル組織の陰翳は究極と呼ぶに相応しい。




日本でも古来、羽二重という呼び名で西陣地区・着物の歴史には欠かせない高級織物であったのだが、もはや現存はしていないに等しい現状となっている。




素晴らしいネクタイ生地の多くは、生産効率が著しく悪く、作るのに大変な手間を要し、そのため生地値が高価になるのでマーケットから消えようとしている。

世界の一流ショップには必ず置いてあるネクタイが次々とマーケットから消えようとしているのだが、我々は微力ながらその素晴らしさを伝え、後世に遺すべくその一助を担えたらと願って止まない。



つづく

Fermo Fossati の特集ページはこちら

Fermo Fossati のネクタイはこちら

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