商品知識 Vol.1 Fermo Fossati
「凄いネクタイが展開されているのですが、なかなか伝わりきらないのが歯痒いです!」小林からネクタイの連絡。私も一役買ってみたいと思い、このブログを始めることにしたのである。
今これを書いているのは10/1(火)の8:00を少し回ったところで、この後、鎌倉シャツの内定式に出席するところである。
いつものようにカフェで仕事をしていると、こばブログでもお馴染みの企画部・統括マネージャーの小林からネクタイの連絡があった。
「凄いネクタイが展開されているのですが、なかなか伝わりきらないのが歯痒いです!」というような内容だった。
そこで、たまにバイヤー業務のお手伝いをしている私も一役買ってみたいと思い、このブログを始めることにしたのである。
第1回は、イタリア・コモで最も歴史があり、世界中の一流クロージング・ショップには必ず品揃えがあるFermo Fossati (フェルモ・フォサッティ)社の生地を使ったネクタイのご紹介である。
まず、Fermo Fossati社の生地を使ったメーカーで、最も有名な英国のDrake’s(ドレイクス)社だろう。
スーツの聖地であるロンドン・サヴィルローにおいて、今一番革新的で勢いのあるのが同社であるが、実はFermo Fossati社の生地を使ったことが一躍高い名声を得るきっかけとなり、現在の基盤を作ったと言っても過言ではない。
かく言う私もネクタイ・バイヤーの駆け出しだった頃は、Drake’sの50オンス・ネクタイ(今では鎌倉シャツのアイコンとなったが)、ガルザやスーパー・レップやスーパー・ツイルと呼ばれる究極の品質をロンドンで買い、研究をしていたのである。
ハッと気づくと、Drake’s社はネクタイ事業を90%以上縮小し、サヴィルローのショップにも僅かな展開しかなくなったのだが、代わりに鎌倉シャツのショップには、上記全てラインナップされているのが現状である。
▼50オンス
50oz Silk Twill DAVID EVANS&CO.
8,690円 (税込・参考価格)
▼ガルザ
ネクタイ FERMO FOSSATI
9,790円 (税込・参考価格)
▼スーパー・レップ
ネクタイ FERMO FOSSATI
9,790円 (税込・参考価格)
▼スーパー・ツイル
ネクタイ FERMO FOSSATI
9,790円 (税込・参考価格)
さて、Fermo Fossati社と言えば、世界最古のシャトル織機が有名で神格化されているが、果たして何が良いのか説明したいと思う。
シルク糸だけでなく、コットンやその他織物は経糸と緯糸で形成されているのだが、とりわけ経糸がその織物の特性、物質、品質を決めると言っても過言ではない。
通常の織機(レピアと呼ばれている)では、経糸に対してある程度のスピードで緯糸を打っていくため、サイジングという工程がある。
マニアックな話になってきたが、(このブログのタイトル通り進める)サイジングとは、糸が切れないように糊付けをする加工のことを言い、世界の99%以上の織物はこの工程を踏んでいる。
一方、シャトル織機では超低速で緯糸を打つため、経糸は加工をしないで済む。
その結果、糸が本来持っている風合いを120%残せるのだが、恐ろしく生産効率が悪い。
シャトル織機は生産効率が悪すぎて、世界中で近代化や産業革命が起こる中で廃れていった幻の産物と言えるだろう。
その幻のシャトル織機を現存させ、維持してきたのがFermo Fossati社なのである。
彼らが作るあまりにも素晴らしい品質に、ネクタイを締めていても、つい触ってしまう。
業界では、これを手持ち感が良いと言ったりするが、上質なネクタイは触り心地も素晴らしいので、是非皆様にもご体感いただけたらと思う。
また、派手さはないものの、上質なシルク糸が放つ、美しい光沢にも要注目である。
つづく
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