鎌倉シャツ創業者との対話 Vol.8
鎌倉シャツ副社長でディレクターの貞末哲兵が、創業者である父・貞末良雄について語ります。
今このブログを書いているのは、2024年8/6(火)の早朝、自宅の一室である。
最近は、「オリンピック見ていますか?」と聞かれることが多いのだが、正直あまり見ていない。
オリンピックをあまり見ていないと言うと、(さらに)変人のように思われて困るのだが、興味がない訳ではなく、結果だけはなんとなく見ている。
そんな中、先日創業者に会いに行った時に、ちょうど柔道の団体戦の決勝がやっていて、つい見入ってしまった。
その後、創業者と一緒に3,000m障害という種目を見たのだが、これが実に面白かった。
3,000m障害を見たのは生まれて初めてだったのだが、アフリカ勢、特にケニア人の軽やかな動きに魅力されてしまったのである。
オリンピックは、見れば楽しいのは分かるのだが、オリンピックを自宅でゆっくりと見ることはほとんどない。(と言いながら、ゴルフの松山だけは少し見てしまったが)
「見出すと面白いのに見ない理由」を今考えているのだが、子供の頃から自宅でゆっくりとテレビを見る習慣がなかった、ということに尽きるのかもしれない。
私が子供の頃、まだテレビはそこそこ高価であり、教育という観点からも、自室にはテレビはなく、居間にしかなかった。
居間は家族の物かもしれないが、基本的に両親の空間であるため、子供の私がゆっくりとテレビを見ることなどは出来なかった。
その名残りで今もオリンピックはもちろん、あらゆるテレビ番組を見ないのだと思う。
夜は自室で本を読み、文章を書いたり、たまにYouTubeを見たりして過ごしている。
オリンピックを見ないで、自室で黙々と過ごしているというのは、自分でもなかなか変わっていると思うのだが、幼少の頃からの習慣はなかなか抜けるものでもないし、自己の内面を探る方が楽しいと思うようになってしまったのである。
創業者は、私や社員達に
「もう一人の自分を作りなさい。
そのもう一人の自分は自分のことを一番良く見ていて、彼を騙すことは出来ない。
そして、もう一人の自分を自分が納得させられる自己を作った時、一流の人間になるのだ。」
というようなことを語っていた。
この話は禅や仏教そのものであり、悟りへと向かう大きな一歩に他ならない。
自己と向き合い努力する人は、もう一人の自分を作り、対話し、自身の内側に答えを求める。
あまり努力しない人は、自身の外側、外部や他者に答えを求め、そこにもう一人の自分は存在しないのである。
創業者から「もう一人の自分を作りなさい」と言われ数十年経つが、未だ道半ばであり、先はまだまだ長い。
つづく
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