2024年6月、欧州出張 Vol.4
昨日は、まず、今年から鎌倉シャツでも初登場したFERMO FOSSATI社を訪問した。
今これを書いているのは例によってイタリア・ミラノのDUOMO近くのホテルで、6/14（金）の朝5:30くらいである。
昨日は、まず、今年から鎌倉シャツでも初登場したFERMO FOSSATI社を訪問した。
イタリアのドレス・ファッション業界において、シャツ生地、ネクタイ生地を作らせたら右に出るものはなく、その凄まじいクオリティからフェラーリに例える人もいるくらいだ。
超高級、のさらに上を行く雲上のファクトリーであり続ける。
しかし、このマーケットにおいてはある一定のニーズと規模を保ち続けているものの、世界的にカジュアル化が進み、彼らとて、その行き先は不透明であるように思う。
ファクトリーは生地を売りたい、小売は商品を売りたいが、小売業は仕入れ業でもあるため、売れない物には目もくれない場合が往々にして起きてしまう。
ネクタイである。
ネクタイは、ご存知のように付ける人達の減少を続ける一方で、ファクトリーの倒産ラッシュに歯止めが効かない。
ファクトリーは、上部だけのSDGsの前に「生地を販売」しなくてはサスティナブルもへったくれもないのだが、時にその本質を見失い、世の中の潮流に安易に乗ったことで、工場経営が危なくなる、成り立たなくなる例は枚挙にいとまがない。
ファッション・ビジネスの本質（川上から川下まで）は、身につける人々がファーストであり、次に、工場経営そのものを永続的なものにする。
そして最後に、小売業に関わる人、という順番に向かうのが、ファッション・ビジネスが存在する意義なのであるが、SDGsは、さらにその先にある超高尚なストーリーなのである。
SDGsファーストは、本質を見失った行為であり、ファッション・ビジネスとしては順序がまるで逆さまなのである。
さて、このFERMO FOSSATI社の生地を使ったネクタイだが、現在展開している物に関しては、サブネームを付けているのだが、次回以降は取り付けるのが難しくなるという話が出た。
BREUERなど、この類の話は20年以上前から聞いてきたが、現代において「まだこれがある」とは驚きである。
業界のどなたからかお話がいったのだろうが、我々はそれを身に付ける人をファーストに考え、セカンドである工場の存続を願い、他よりも安く、ということではなく、最後にくる我々も、存続出来るギリギリの値付けをしたまでである。
鎌倉シャツが、創業以来、ひたすらに守り続けるギリギリの値付けこそが、お客様と工場の未来を作るのは間違いない。
ところが、既得権をひたすらに守る業界の人達は、消費者ではなく、小売業しか見てないない。
彼らの理論としては、高い物を買える人が買えばよく、そうなれば売れる生地の数量も限定的になり、結果としてファクトリーの存続が危うくなる。
この小売業ファーストの考え方に対して、鎌倉シャツの創業者である貞末良雄は、30年以上前から警笛を鳴らし続け、多くのビジネスマンをお洒落にする、というコンセプトを実現した、その向こう側にファクトリーの未来を見ていたのだ。
ミドル・マンと雑誌社と小売業の肩組みタッグによるフェイクや情報遮断は、これだけオープンになった時代に通じるのだろうか。
鎌倉シャツにおいては、顧客、ファクトリー、我々、の順番を変えることはない。
既得権益に立ち向かう、反骨精神を失うつもりもさらさらないのである。
つづく
ネクタイ FERMO FOSSATI
9,790円 （税込・参考価格）
ネクタイ FERMO FOSSATI
9,790円 （税込・参考価格）
ネクタイ FERMO FOSSATI
9,790円 （税込・参考価格）
商品やサービスを紹介いたします記事の内容は、必ずしもそれらの効能・効果を保証するものではございません。
商品やサービスのご購入・ご利用に関して、当メディア運営者は一切の責任を負いません。