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2024年6月、欧州出張 Vol.3

後1時間ほどしたら、世界的なリゾート地であり、シルク織物産地であるCOMOへと向かう。

2024.06.14 貞末哲兵コラム



今これを書いているのは、ミラノのDUOMO近くにあるホテルで、2024年6/13(木)の5:50を回ったところだ。

あっという間にロンドンが終わってしまい、ミラノもそれなりに忙しく過ごしているのだが、体調はそれなりに良く、順調にスケジュールを消化している。

後1時間ほどしたら、世界的なリゾート地であり、シルク織物産地であるCOMOへと向かう。


先程、鎌倉シャツの鎌倉事業構想室の宮崎から連絡があって、欧州出張Vol.2 の感想をもらったのだが、エルメス・クオリティの素晴らしさを楽しみにすると共に、日本の物作りにおいてもやれることは多いと感じてくれたそうなのである。


日本は、ヨーロッパを凌駕するような文化や歴史を持ち、物作りや美的センスについても、決して引けを取らないばかりでなく、彼らから多くのリスペクトを受けている。

しかし、それはあくまで日本文化の範疇の中での話なのだ。

鎌倉シャツの創業者 が常々語っていたように、洋服は西洋のものであって、現代の我々が着ているのは和服ではない。


整理すると、


1️⃣ あくまでヨーロッパを上回ることが出来るのは日本文化であること

2️⃣ 現代の我々が着ているのはあくまで洋服であること


この二つをごちゃまぜにしないで、理路整然ときっちりと分け、冷静に勝つため(ヨーロッパに勝つというより、己か)の戦略を考えるのが、「大人としてのファッション業界人」になるということなのである。

ヨーロッパや、誰かに勝つとか、そのような発想もたまにはいいが、それよりも己を高め、自己研鑽に挑むことが出来るのが、日本文化の特異性であり、彼らが最も脅威とリスペクトを持っているのがこの点なのである。


禅はもちろん、弓道、書道、花道など日本には「道」がある。

道は誰かに勝つためのものではなくて、ゴールもない。

そこにあるのは、己を高めようとする自己研鑽の世界があり、欧米の人達が驚きと称賛を持って日本文化を評価する点なのである。



さて、我々は昨日の夕方にミラノに入り、その足で、現地でお世話になっている三菱商事さんのアテンドで、鎌倉シャツの商品を置いてもらっているショールームを訪問することが出来た。

ファッションビジネスのエージェントとして30年以上のキャリアを持つプロ中のプロであるピーターさんはこう言った。

「鎌倉シャツの商品は本当に素晴らしい。特に PALPA と ニット素材 は素晴らしく、イージー・ケアの商品群でここまでヨーロッパ市場において差別化出来るものは他にない!さすがジャパン・クオリティです。」

と大いに褒めてもらい、これらの素材を中心になって開発した弊社の佐野は、もしこの声を生で聞けたら(今は日本のコットン畑にいる)仕事冥利に尽きる思いだっただろう。




そして、鎌倉シャツの縫製担当の宮沢においては、フランチェーゼ という鎌倉シャツがナポリで研究した襟について、ダイレクトに最大限の賛辞を受けたのである。


ピーターさん 「この襟はパーフェクトです!パーフェクト以外ありません。」




PALPA は、コットンの風合いを残した日本の素晴らしいテクノロジーであり、このあたりも優位性がありそうだ。


そして、例えば一つの襟にこだわり続け、終わりのない道をひたすらに歩む。

そんな日本文化の結晶のようなシャツが、世界でさらに評価される日は近い。




この後、COMO行きの電車の中で、昨日のミーティング中に気付いた襟の改善点について、宮沢に話す予定だ。



つづく

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