欧州再訪日記 vol.1
もう永遠に欧州に行かなくてもいいとさえ考えていた。ところが面白いもので、もう一度欧州へ向かう時が来たのである。
2023年6月某日、もう一度鎌倉から欧州へ向かう時が来た。
通常、島国である日本から海外へ出て、海外から日本を見た時、その素晴らしさを実感することが出来る。
そして、その素晴らしさを知った私達日本人は自我に目覚め、多くの人達にそれを伝えたくなることもあるだろう。
私は2005年の28歳の時にイタリア・ボローニャに留学をし、2007年までミラノのデザイン事務所で鞄持ちをしてから帰国した。
その後コロナ禍になる2020年まで足掛けおよそ15年の間、徹底的にイタリアや欧州を追いかけ続けてきた。
その間、もちろん冒頭に書いたような日本の素晴らしさも感じていたのだが、「洋服は欧米の文化」である以上日本よりも外に向かって意識を向け、研究を続けていたのだった。
イタリアや欧州について全く知らなかった私だが、現地の方はもちろん、たくさんの鎌倉シャツの社員にも助けられたことにより、多くのことを学ぶことが出来た。
皆様がご存知のように、コロナウイルスが蔓延したことによって、その後の世界におけるライフスタイルや考え方に劇的な変化が起きたことは記憶に新しい。
そして、日本→世界→日本→世界という順番で自我の目覚めと発信を行うことは一般的だと思うが、私は幸運なことに(コロナのおかげと言っていいか分からないが)その矢印をさらに追加して世界→日本に向けることが出来た。 およそ3年に渡り、日本やホームである鎌倉で己を見つめ直し、じっくりと力を蓄えることが出来たように思う。
禅的に言えば、鎌倉という「ここ」を得た私にとって、「そと」はあまり意味合いを持たず、もう永遠に欧州に行かなくてもいいとさえ考えていた。
ところが面白いもので、もう一度欧州へ向かう時が来たのである。
まさに今、さらにその矢印は伸び続けて、日本→世界という方向に動き出そうとしている。
(つづく)
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