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鎌倉シャツは来年で30年!創業からこれまで

顧客の皆様、いつも鎌倉シャツをご愛用くださりありがとうございます。 鎌倉シャツ ディレクターの貞末 哲兵です。 鎌倉シャツはおかげさまで、来年でいよいよ30年目を迎えることとなりました。 これも一重に顧客の皆様のご支援によるものと思っております。 この場を借りて改めてお礼申し上げます。

2024.04.10 ブログ

それでは、今回は 創業からこれまでの鎌倉シャツについて簡単におさらいしたいと思います。



鎌倉シャツは1993年鎌倉で創業しました。


顧客の方の中にもご存知の方が多いかと思いますが、最初は鎌倉のコンビニの二階からスタートし、実は一枚も売れない日もありました。
そんな中、お買い上げくださったお客様の多くが「こんな素晴らしい物がこの価格で買えるのか」という口コミをしてくださったおかげで、徐々に認知が高まり、鎌倉のコンビニの二階の片隅から、みなとみらいのランドマークタワーへ出店することが出来ました。そして、東京、大阪、名古屋、九州などの国内出店、そして念願のニューヨーク、中国上海などのマーケットにも進出するまでになりました。

特に、ニューヨークのお店はコロナの影響もあり、一時お店は閉店しましたが、彼の地で得たものは果てしなく大きいものと捉えています。まずは、服の分かるニューヨーカーに支持され、多くの顧客(26,000人の顧客名簿)を獲得したことは、鎌倉シャツの大きな自信となりました。そして、現在もニューヨークのお客様は弊社グローバルオンラインで引き続き購入してくださっています。現在お店はないものの、ニューヨーク店のスタッフの一人だった社員が孤軍奮闘し、ニューヨーク、ボストンなどで鎌倉シャツのトランクショーを開催し、オンラインだけでなく、リアルな体験としても多くのお客様に支持されています。
今後は全米から誘致がありそうで、大きな期待ができそうです。


また、本国アメリカで評価された弊社のボタンダウンシャツは、アメリカのみならず、北欧や東南アジアの一流店で取り扱いいただいています。

https://kamakurashirts.com/pages/store-locations
https://www.careofcarl.com/sv/varumarken/kamakura-shirts.html

こちらもニューヨーク出店で得た大きな財産となりました。

東南アジアの一流店の品揃えは、靴はALDENかCROCKET JONES、アウターはBORBOUR、ボトムはAMBROSI、オーダースーツがDAL CUOREで、シャツが鎌倉シャツだったりするんです。通常上記ブランドが置いてある店では、シャツの店頭小売価格¥20,00~¥30,000であることが多いのですが、鎌倉シャツを品揃えしてくださっていることも自信になります。

顧客の皆様もそうだと思いますが、物の良し悪しは価格ではなく、品質で判断していただいている証拠だと思います。
また、中国マーケットにおきましては、上海にお店が一店舗あり、今後はオンラインも含めて更に大きな可能性を感じています。 そして、国内マーケットについても出店を再定義し、多くのお客様に一枚でも多くのシャツを届けられるようにしたいと思っています。

次に商品の観点からですが、素材への飽くなき探究がありました。


創業以来、80番手双糸以上の高番手を使い続け、100番手、120番手、140番手、200番手、300番手、そして前人未到の400番手もオリジナルで開発出来るようになりました。しかしながら、現在のシャツマーケットでは、上質な綿100%を使ったシャツはほとんど見かけないようになってしまいました。

80番手以下でも、綿100%であればそれなりに良い表情を作れる(オックスフォードなど)と思いますが、今日見かけるシャツのほとんどは綿×ポリエステルです。それも、上質とは言い難い綿×ポリエステル素材に形態安定加工を施し、シャツの表情を殺してしまっています。とても残念ではありますが、多くの日本人の方はこのようなシャツを着てしまっているのが現状です。

鎌倉シャツでは、「良い仕事は、良いシャツから始まる」と考えているので、その良さを出来る限り多くの方にご理解いただくためにも、更なる努力をしなければなりません。一方、鎌倉シャツが開発したイージーケア素材である「PALPA」はポリエステル糸に上質なコットンを巻きつける特別な技法(特許)で作られているため、表情が美しく、着心地も良く、さらに防シワ性を実現しました。
また、200番手を実用品(通常は超高級品でマーケットにほとんどありません)として販売できている会社は世界でも鎌倉シャツだけだと思っています。

300番手については、ニューヨークの高級百貨店で見たことがありましたが、価格は800ドルでした。さらに400番手までいくと、世界的に見ても展開自体なく、鎌倉シャツのみの展開となります。

今後も素材の開発に終わりなく、更なる高みを目指し多くのお客様に最良のシャツをお届けできるようにしたいと考えています。

そしてシャツ縫製の面では、日々日本製を高めながら、イタリア、ナポリへの挑戦がありました。


イタリア、ナポリへの挑戦については、私自身が攻略担当として取り組んで参りました。顧客の皆様には包み隠さず申し上げますと、シャツ一枚数万円するようなナポリの一流ファクトリーであるBORRIELLO、VANACORE、MARIA SANTANGELOなどを数年にわたって訪れ、彼らと実際に仕事をしてきました。(鎌倉シャツではナポリシャツと呼ばれる商品群の開発です)

その中で、ナポリの芸術的なシャツ作りを目の当たりにした私は、同時に日本での仕事、日本製の進化に取り組むことになりました。そして、多くの日本の匠の技術を持つ方々のご協力のおかげで、ナポリの芸術的なパターンと縫製技術に限りなく近づいた「マンハッタンモデル」が誕生し、多くの方に買っていただけるプライスを日本製で実現することができました。
また、「マンハッタンモデル」を深掘り研究した結果、「フランチェーゼ」という襟型(ナポリの典型的なワイドカラー) が生まれました。

この襟は、ナポリの一流ファクトリーか、鎌倉シャツにしか作ることが出来ない特別なもの(襟のカーブが独特で縫製が難しく、タイドアップ、ノータイ双方のバランスに優れています)で、イタリアへのチャレンジと日本製の研究がもたらしたものでもありました。あと、面白いことが分かりまして、それはイタリアやナポリの一流ファクトリーにも苦手なことがあり、それはボタンダウンを作ることなのです!

イタリアのボタンダウンの歴史は、あるイタリアの実業家がアメリカ留学の際にブルックスブラザーズを気に入り愛用し、帰国してからLUIGHI BORRELLIに作らせたことから始まったとされています。今日、このイタリアンボタンダウンはナポリの一流のファクトリー全てで作られるようになりましたが、バランスがあまり良くないのです。私も実際に何度か現地のファクトリーでボタンダウンの試作を作りましたが、何度やり直してもおかしなバランスの物しか上がりませんでした。
イタリアンボタンダウン は、襟が大きく、誇張してあるため、日本人には似合いませんし、イタリア人もバランスがあまり好きではないのか、現地でも着用している方はほとんどいないのが現状です。

一方、手前味噌ですが、鎌倉シャツのボタンダウンは聖地であるニューヨークのマジソン街で評価されたクオリティを持ち、バランスにも優れています。
品が良く、誇張しないバランスのボタンダウンは日本人に最も似合う襟の一つだと思います。そして、ナポリが得意とするワイドカラーについては現地でしっかり学び、アップグレードすることが出来たので(フランチェーゼという襟)、シャツ屋としてのトータルバランスはナポリの一流ファクトリーより鎌倉シャツのほうが上ではないかと密かに自負しています。(ナポリの一流ファクトリーはプライドの塊なので彼らは絶対認めないと思いますが 笑)

シャツの縫製についてもこれでいいということはなく、素材同様更なる研究をし、進化したいと考えております。
新しい発見などありましたら、皆様にいち早くお伝えしたいと思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。

他にも色々とご紹介したいお話も多々あるのですが、あまり長くなってしまってもいけませんのでまた次回にさせていただきたいと思います。

今回も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

貞末 哲兵

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