鎌倉の名店をご紹介―第3回
顧客の皆さま、いつも鎌倉シャツをご愛用くださりありがとうございます。 今月も鎌倉シャツ顧客の皆さまに少しでも楽しんでいただき、また鎌倉シャツ独自の視点からの情報発信がなにかのお役に立てたらと思います。今月もよろしくお願いいたします。 さて、今回はいつもの“食”や“レストラン”の話ではなく、鎌倉が誇る伝統工芸品「鎌倉彫」を販売する「 山水堂 」さんをご紹介します。
「 山水堂 」さんは鎌倉駅から八幡宮までの段葛沿いというメイン通りに位置し、とても素敵な商品ラインナップが魅力の名店なのです。
鎌倉彫の歴史は古く、実に700年前にさかのぼります。
12世紀、源頼朝が鎌倉に幕府を開き、全国の優れた仏像彫刻師たちが日本の中心となった鎌倉に集まってきたことにより始まりました。
寺院で使われる仏具や、香を入れる器を漆塗りの工芸品で作ったことが起源とされており、『禅』の文化の影響を色濃く受け、彫りの繊細さと、沈んだ色調の美しさが特徴です。
鎌倉彫は現在に至るまで、一点一点ハンドメイドで作られていて、非常に温もりのある製品になっています。私もお店に行くたびにその魅力に取り憑かれてしまい、少しずつですが鎌倉彫の食器が増えてきていているのがうれしい限りです。
全てハンドメイドなので、高価と思われるかもしれませんが、買いやすい価格の魅力的な商品群もたくさんあるんですよ!ぜひチャレンジしていただきたいです。
左が「 山水堂 」代表の小泉さんで、右はお気に入りのメリノウールTシャツを着ている筆者です。小泉さんは鎌倉シャツの大ファンでいらっしゃいまして、この日も全身鎌倉シャツの製品をお召しくださっていました。着こなしがとても上品です!
さて、それでは早速「 山水堂 」さんの店内に入ってみましょう!
美しい鎌倉彫がたくさん並べられていますね〜。木の温もりを感じる素晴らしい店内です。様々な柄、形、商品が並ぶ姿は壮観です!まるで、美術館のような美しい店内に心が躍ります。
鎌倉彫は桂の木を使用して作られています。桂の木はきめが細かいので、鎌倉彫に非常に適した木材だそうですが、森林問題などから年々材料の確保が難しくなってきているそうです。
そして、木材に塗る塗料は漆が使用されます。漆は漆の木の樹液から作られており、化学薬品や合成着色ではない100%天然素材です。また、漆は抗菌作用がとても高いことから、非常に安全度の高い「自然の抗菌食器」を作ることが可能です。熱いみそ汁やスープ等を入れても、プラスチック樹脂製品のように溶け出すことがないので、人体や環境への影響などの心配がありません。天然素材、天然の塗料が使う人に優しいのです。そして、木なので最終的には土に還ることが可能です。
つまり、鎌倉彫は誕生以来700年以上もサーキュラーエコノミーだったけですね!
桂の木から熟練職人さん達が、手間暇かけて、何度も漆を塗っては乾かしを繰り返し、完成させていく鎌倉彫のことを、小泉さんは非常に熱く、とても丁寧に、分かりやすく教えてくださいます。
そのものづくりに対する尋常ではないこだわりは、鎌倉シャツにも通じるものがあります。
小泉さんのパッションもさることながら、コーディネートがバシッと決まってらっしゃるのがまた素敵ですね!
こ、これは!
参考商品ですが、このような作品もあります。
左は、漆塗り工程の下地の状態で、木に生の漆を二回ほど塗った上に砥の粉のようなものを蒔いています。故人の作品だそうですが、凄まじい迫力を持っています。
右は、オリンピックの公式ライセンス商品にも選ばれているんです!
鎌倉彫×オリンピックが非常に新鮮で、美しい器に仕上がっています。
今回は鎌倉彫の魅力に少しだけ迫ることができましたが、その奥深さに脱帽しました。全ての商品、作品にとてつもない情熱、伝統に裏打ちされた技術、ゆっくりと時間をかけて作られるのが鎌倉彫です。
現代の私たちは、このような芸術作品を普段の生活に取り入れることが出来る素晴らしい時代に生きています。鎌倉彫の奥深さと、素晴らしさに敬意を表するとともに、「鎌倉シャツ」も負けないように努力していきたいと強く感じました。
ぜひ、顧客の皆さまも鎌倉が誇る鎌倉彫の名店「 山水堂 」さんを訪問していただければうれしく思います。小泉さんの熱いお話と鎌倉彫の素晴らしさに少しでも触れていただけたら作者冥利に尽きるというものです。
今回も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
また、来月お目にかかれることを心より楽しみにしています。
貞末 哲兵
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