鎌倉シャツについて VOL.1
いつもこちらのブログをご覧になっていただき、ありがとうございます。今回は新シリーズ「鎌倉シャツについて」を始めたいと思います。
鎌倉シャツは1993年のバブルが崩壊した直後に鎌倉で創業しました。
状況としては、現在のコロナ渦よりもマシだったかもしれませんが、
同じように多くの失業者が生まれ、不景気であり、
閉塞感が漂う世の中でした。
そんな中、第1号店は鎌倉市 雪ノ下にある
コンビニの2階にオープンしました。
お店が開業すると、知人、友人、
また業界関係者の方達からこう言われたそうです。
「なぜこんな場所に?」「シャツ専門店??」
「無理に決まっている」「おやめなさい」
今から約30年前の1993年当時は今と違って、
*SPAの業態やシャツ専門店は非常に珍しく、
特にメンズファッションはトータルで提案する時代でした。
*SPAとは...企画→製造→物流→プロモーション→販売までを一貫して行うことで中間コストを限りなく排除した小売業態。
創業者の貞末良雄は私に言いました。
「誰もやっていないからこそ、勝機もあり、楽しいはずだ。 」
「これからは専門店の時代が必ずくる。」
そして、こうも言いました。
「繁盛店になる店は必ずしも良い立地に店があるわけではない」
繁盛店になる店、行列ができるようなお店の中には、
なんでこんなところに列ができるのだ?
と思わせる特別な名店があるそうで、
確かに私が通う美味しくてお財布にも優しい食べ物屋は、
辺鄙なところにあったりします。
「場所が良いからお客様にいらっしゃっていただけるではダメで、
場所が少々悪くても商品とサービスの力があれば
自ずとお客様はいらっしゃってくださる。」
とよく言っていたのを思い出します。
三宿にある私が大好きな「一隆」という割烹料理のお店は、
交通の便が良いわけではないのですが
常にお店は大繁盛しています。
凄まじいまでの魚に対する目利きと仕入れ力を持ち、
惜しげも無くケチらずに出してくれる太っ腹な精神、
そして、最後にお財布にも優しいお店なのです。
貞末良雄は冗談まじりに「割烹業界の鎌倉シャツ」
などと言っていましたが、
「驚愕の割烹料理店」であることは間違いありません。
鎌倉シャツは、「お店の力、商品の力があれば場所は関係ない」
という信念のもと、ただひたすらにその技を磨くことによって
多くのお客様にご支持いただきました。
創業当時は、シャツ生地を買うにも販売量も極小だったので、
値入れ価格は高く(たくさん買えればある程度値入れ価格は下がる)
*原価率は驚異の70%越えだったそうです。
*原価率とは...資材費・工賃・輸送費等を含めた製造過程のコストと販売価格の割合。一般アパレルでは原価率20%~30%が通常。
今でも業界ナンバーワンの原価率の高さの鎌倉シャツですが、
商品の原価率が70%を越えては、なかなか利益が出せるものではありません。
一般的には、原価率70%では利益が出ないので、
ビジネスとして誰もやろうとしません。
誰もやろうとせず、儲からないので競合が現れないのです。
現在、プライスだけは似たようなシャツショップも現れましたが、
きちんと儲かるように計算されたタイプのビジネスモデルです。
(悪い意味ではなく、買った方が幸せならそのやり方でもよいと思います)
ところが、鎌倉シャツには計算がなく、
ただひたすらに「買ったお客様に喜んでいただきたい」
「驚いていただきたい」という信念があります。
「粗利益が30%しかないではなく、
30%もある粗利をどこに使うかを考える力が経営である」
「全てを簡素化すれば、30%の粗利でも経営は成り立つはずだ。」
これこそがお客様が驚き、顎が外れるような
「驚愕のマーチャンダイジング」の誕生でありました。
現在もこのマインドは社員に脈々と受け継がれ、
30年近く鍛え続けた日本製で5900円を実現しています。
MADE IN JAPANは進化し続け、
今やナポリの一流ファクトリーにも負けない
縫製技術を持っています。
「多くの日本人をお洒落にし、
日本のビジネスシーンを美しいものにしたい」
というビジョンのもと、
今後も「MADE IN JAPAN」「5900円」を守り続け、
日本全国に心を込めたシャツを届けたいと思っています。
貞末 哲兵
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